リオ五輪を終えて

2016年08月27日(土) 12:00


今度は競馬のチームジャパンが頂点を

 リオデジャネイロオリンピックと夏の甲子園がほぼ同時に閉幕して1週間経ちました。4年に1度の“ダブルロス”状態に陥っちゃっている方はいらっしゃいませんか?

「オレには競馬があるから大丈夫!」?なるほど、ごもっともです。では今週も思う存分、競馬をお楽しみください!

 それはさておき、今回のオリンピックで、日本選手団は過去最多となる41個のメダルを獲得しました。その中で私にとっても感慨無量だったのは、やっぱりバドミントン女子ダブルス・高橋礼華(あやか)&松友美佐紀ペアが勝ち取った金メダルでした。

 7月23日付けのコラムにも書いたように、私がバドミントン中継の仕事を始めたのがちょうど10年前。それは、両選手がペアを組んだ歴史と重なります。この間、日本の女子ダブルス勢は着実に成長を続けてきました。

 まず08年の北京には、オグシオ=小椋久美子&潮田玲子とスエマエ=末綱聡子&前田美順(みゆき)の両ペアが出場。スエマエペアが当時世界ナンバーワンだった中国のペアを破って準決勝進出を果たします(3位決定戦で敗れメダル獲得はなりませんでしたが)。

 次の12年ロンドンにはスエマエペアとフジカキ=藤井瑞希&垣岩令佳ペアが出て、フジカキペアが決勝まで勝ち進み、日本バドミントン界に初の銀メダルをもたらしました。

 そして今回のリオ。タカマツペアは、オリンピックを前に日本勢として初めて世界ランキング1位に登り詰め、その“称号”どおりに各国の強豪を撃破、見事金メダルを手にしたのです。この経緯だけでも壮大なドラマ。“ホップ・ステップ・大ジャンプ”になっていると思いませんか?

 今回のバドミントン競技では、女子シングルス準々決勝で奥原希望VS山口茜という、日本選手同士の直接対決がありましたね。実は、女子ダブルスでも同じようなことがあったのです。

 それは、今年4月のアジア選手権決勝。福万尚子&與猶(よなお)くるみペアが勝って優勝すればオリンピック出場権を獲得できるという試合で、なんと2人の前にタカマツペアが立ちはだかったのです。「オリンピックに出たいなら私たちに勝って行きなさい」と言っているかのように、日本&世界ナンバーワンのタカマツペアが圧勝、福万&與猶ペアは悔し涙に暮れました。

 そういうことがあったからこそ、なおさらタカマツペアが獲得した金メダルは日本バドミントン界にとって価値あるものになったと思います。タカマツペアは本当によく頑張ってくれました。おめでとう&ありがとう!!!

 ちょっと無理矢理っぽいまとめ方になっちゃいますが、日本馬による凱旋門賞制覇への道のりも、長くて厳しいほど、達成されたときの喜びが大きくなるというもの。さぁ今度は競馬のチームジャパンが頂点を極める番じゃないですか?

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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