2016年09月20日(火) 18:01
▲「彼はとても頭が良く、シャイな人間」 祐一騎手がモレイラ騎手との対談を振り返る
モレイラとじっくり話をしたのは、今回の対談が初めて。最初はシャイな一面を見せていたモレイラだったが、中盤からは一気に打ち解け、本当にあっという間に2時間半が過ぎた。お互い話し足りない感じではあったものの、会場の都合で終了。技術面でもっと掘り下げて聞きたいことがたくさんあっただけに、その点だけが心残りだ。
ご存じの通り、今年の札幌リーディングは、最終週にクリストフがモレイラ(1週前に帰国)を逆転。モレイラは1勝差の2位となったわけだが、わずか3週間の滞在でクリストフに匹敵する成績を残したことは、同じジョッキーとしてお見事というほかない。その数字も、53戦17勝、2着12回、3着7回。勝率32.1%、連対率54.7%、複勝率67.9%と、圧巻の数字を残した。
それだけの馬に乗っていたから…という声も聞かれるし、確かにいい馬が集まってはいたが、それはこれまでに短期免許で乗りにきたジョッキーにもあったはず。決して彼だけが特別に恵まれていたわけではない。そんななかでの先の数字であり、騎乗機会7連勝という偉業を達成。これは日本競馬史上、豊さんとモレイラだけの記録で、技術云々以上に本当にすごいことだと思う。
ジョッキーにとって、数字を残すことがいかに大事か──モレイラを見て、改めて考えさせられた。もちろん、高い技術の持ち主ではあるけれど、同業者の自分たちが解析もできないようなオリジナリティがあるかというと、決してそうではない。それでも彼は、ブラジルでもシンガポールでも香港でも日本でも、期待に違わぬ傑出した数字を残してきた。
では、自分が感じたモレイラの強さとは何か? 技術、精神力、経験など、理由なんてたくさんあるが、ひと言でいうと、・・・
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2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。
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