ダート女王争いで一歩抜け出したワンミリオンス/エンプレス杯・川崎

2017年03月02日(木) 18:00

撮影:高橋 正和


1頭だけ突き抜けたワンミリオンス

 エンプレス杯はグリーンチャンネル・地方競馬中継の解説だったのだが、当然レース前に展開を予想するところがあり、前日にそれを考えていたところ、逃げ馬がまったくいないことに気づいた。高知のサンタレジーナが逃げ先行のレースをしているものの、さすがに能力の違いもあり、中央勢や南関東の有力馬を制してまで逃げることは考えられない。とある専門紙の展開予想でも、「強いてあげれば」という感じでヴィータアレグリアが逃げるのではないか、としていた。

 果たして、やはり先行争いにはならず、押し出されるような感じで外目の枠から先頭に立ったのはリンダリンダだった。以前は中団〜中団後方を追走していたが、前走TCK女王盃では、レース前からの作戦として積極的に3番手を追走。それで直線3頭での接戦となってワンミリオンスに3/4馬身差で2着と好走していた。結果的にそのときの積極策が今回も生かされることになった。

 逃げ馬不在で、おそらくそうなるだろうと思ったが、先頭に立ったリンダリンダがホームストレッチに入るとさらにペースを落とし、一団馬群の馬たちは我慢比べの様相。川崎2100m戦ではよくあることだが、それでたまらず中団から一気にハナを取りに行ったのが、逃げるかもしれないと思われていたヴィータアレグリアだった。

 人気のワンミリオンスはタイニーダンサーを前に置いて折り合いに専念していたが、戸崎騎手は待ってましたとばかり、・・・

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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