【C.デムーロ騎手&横山典弘騎手】「自分の内は絶対開けない」敗れたレースにも見えるトップ騎手たちの徹底ぶり

2017年11月16日(木) 18:01

哲三の眼

▲今週は大舞台での“神騎乗”にも繋がる隠れたファインプレーに注目!

今週はオキザリス賞&新馬戦(12日・京都5R)から、C.デムーロ騎手&横山典弘騎手のファインプレーを解説!ともに敗れながらも、トップ騎手に共通する“相手を内に入らせない”という強いこだわりが見えたふたつのレースから、大舞台での騎乗ぶりにも繋がる「隙を見せないレースの積み重ね」の大切さを哲三氏が説きます。(構成:赤見千尋)


「隙を見せないレースの積み重ねがGIでの結果を生む」

 今週注目したのは、土曜日の東京9Rオキザリス賞のクリスチャン(・デムーロ騎手/クレヴァーパッチ騎乗・2着)と、日曜日の京都5R新馬戦のノリさん(横山典弘騎手/ソーグレア騎乗・5着)です。

 大きい舞台で派手に勝っているミルコ(・デムーロ騎手)やクリストフ(・ルメール騎手)はたくさんファインプレーがあり、このコラムでも何度かお話しして来ました。今回はそういった大舞台での“神騎乗”にも繋がる隠れたファインプレーに注目。勝ったレースではないのですが、とてもわかりやすい場面があったので、この2レースをチョイスしました。

 まずは土曜日の東京9R、2着だったクリスチャンの動きです。

 4コーナーから直線へ向いたところで、3,4番手の馬群にいたクリスチャンは一瞬外に出そうとした。でも2番手を追走するシャインカメリアが壁になり、そのまま内を進むことを選択。自分の内側には2番人気のダークリパルサーがいて、この馬も手ごたえよく同じ進路で伸びようとしている。

 その時、内に寄せるわけではなく、でも前で逃げている馬を上手く使って出させなかった。あの場面はまったく隙がなかったし、やっぱり甘くないなと思いました。

■11月11日(土)オキザリス賞(3番:クレヴァーパッチ)

 それでも結果的にはダークリパルサーがいったん引いて外に切り返し、そこから再び伸びて勝利。切り返す前は、逃げている馬が振った尻尾が顔に掛かるような位置だったし、横もクリスチャンが隙を開けずにきっちり走っていたので、なかなかタイトな位置どりでした。それでも、怖がったりせずしっかりリカバリーできたダークリパルサーもファインプレーかなと。

 ダークリパルサーはエスポくん(エスポワールシチー)の弟なので、先日このコラムで紹介したエスポくん産駒のマリオと共に、いずれダートの重賞戦線で見られるようになるのではないかと楽しみにしています。

哲三の眼

▲クリスチャンの技術とそれに負けなかったダークリパルサーにファインプレー(撮影:下野雄規)

 日曜日の京都5Rのノリさんも、繊細なところまで気を配った細やかな騎乗を見せてくれました。

 道中は・・・

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佐藤哲三

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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