「亀谷敬正が絶好調予想家・馬場虎太郎の正体に迫る!」<第5回>亀谷敬正×馬場虎太郎

2017年11月20日(月) 18:00

亀谷×馬場

血統派・亀谷敬正が馬場派の絶好調予想家に迫る!

「独自の馬場判定」で2年間回収率1位の秘訣とは

――今回はジャパンCの特別企画として、ウマい馬券でお気に入り数1位の亀谷さんと、回収率1位の馬場虎太郎さんに対談をお願いすることになりました。おふたりには今年のフェブラリーS週に対談していただきましたが、今回で2回目ということになります。

亀谷敬正 前回の回収率1位対談のお相手も馬場虎太郎さんでしたが、今回も馬場さん? 年間回収率が130%で1位で、もっと言うなら去年から、ずっと回収率1位ですか。ボクも回収率を競うようなコンテンツはいくつか参加させてもらってるけど、馬場さんが一番すごいと思う。

馬場虎太郎 前回も言いましたが、私は回収率だけが実力だとは思ってません。人前で予想しているのに、オッズが下がらずにプラスになっているのはむしろ恥ずかしいです。もし私が亀谷さんぐらいの影響力になったら、これだけの数字にはなりませんよ。

亀谷 それを言えるのは、馬場さんだけ。ボクが言っても負け犬の遠吠えだから(笑)。

馬場 本当にそう思ってますよ……(笑)。

亀谷 たしかに、人前で競馬の話をする人の実力は「回収率だけ」ではないとは思うけど、結果として最高の形を残しているのは馬場さんでしょ。一時的に回収率が高い人とかの話を聞いたり、予想を聞いても、納得できない人もいるけど、馬場さんの予想や話は合理的。トップの人に上から目線ですみません(笑)。

馬場 いえ、嬉しいです(笑)。

亀谷 馬場さんも「ウマい馬券」で予想を発表するようになってからオッズが下がったでしょ?

馬場 多少は、です。最近はローカルや午前中のレースは、予想によってはオッズが下がり過ぎそうなので、あえて公開しないこともあります。

亀谷 そういう調節をしながら、ちゃんと結果を出しているのは素晴らしい。ではそろそろ、馬場さんの予想ロジックを聞かせてもらいましょう。前回も話しは聞かせてもらいましたが、ご存じない読者もいるので、簡単に理論の概要を聞きします。馬場さんの予想は「JRAの馬場発表を無視する」これが、勝つための基本事項ですね?

馬場 単行本『競馬研究所』にも書きましたが、JRAの馬場発表の基準は曖昧です。だから独自の馬場状態を、全レース記録すれば「真の馬場適性」を分析することができるのです。私は馬場状態を……

・軽い

・やや軽い

・標準

・やや重い

・重い

の5段階で「独自判定」しています。JRA発表の馬場状態に頼って分析すれば、馬券は負けるでしょう。JRAの馬場発表で走破タイムや馬の適性を分析したら間違いだらけになります。

亀谷 多くの馬券購入者はJRAの発表で馬場を考える。でも馬場さんは独自の判断基準を持っている。その判定基準がJRAの馬場発表を参考に馬券を買っている人に対してのアドバンテージになっているんですね。ちなみに、芝のだけではなく、ダートのレースも、軽い〜重いの5段階で評価するんですよね?

馬場 もちろんです。

亀谷 JRA発表の場合、ダートの良ってパサパサで重い馬場が多くて、逆にやや重とかだと軽いダートになると。

馬場 そうです

亀谷 超初心者の方だと「ダートは“重馬場”の方が軽い馬場」ということもわからないですからね。JRAの馬場発表よりも馬場さんの発表の方が親切ですよね(笑)。

枠の「トラックバイアス」も馬場の影響で変わる

亀谷×馬場

亀谷 馬場さんはトラックバイアスによって発生する「枠の有利不利」も重視していますよね。

馬場 馬場によって脚質も偏りが出るケースも多いので、同時に脚質のバイアスも重視します。11月11日(土)の東京8レースはウマい馬券で予想を公開して的中させましたが、このレースも「枠の偏り」を重視して予想をしました。

――123.9倍の3連複をズバリでした。

亀谷 内枠中心の予想で見事に的中してますねー。

馬場 内枠で逃げる9人気の5番カービングパスはおいしい馬でした。

亀谷 このような、内枠の先行が有利なレースは「外枠の差し」は不利だと。

馬場 そうです。馬場の不利で敗れた馬をメモしておき、次走で不利の受けなそうな状況で買います。前走不利で負けた馬が、今回は有利な馬場になりそうなら勝負です。

亀谷 そのルーティンを繰り返して、ウマい馬券でも2年近くプラス収支を続けているんですね。馬場さんは菊花賞も的中させました。10番人気で2着のクリンチャー、13番人気で3着のポポカテペトル、11番人気で4着のマイネルヴンシュをすべて上位評価にしていましたが、これはどんなロジックですか?

馬場 これは「馬の馬場適性、馬のタイプ」を重視しました。クリンチャー、ポポカテペトル、マイネルヴンシュに共通するのは「軽い馬場だと脚が遅いから先行する」ことです。このような馬たちは、重い馬場のスタミナレースに強いタイプです。だから上位に評価して馬券を買いました。

亀谷 結果は見事な上位独占。実は、ボクも4着馬から、2、3着を厚く買っていたんですよ。ボクは血統のアプローチからタフな馬を狙ったんだけれど。

馬場 亀谷さんの原稿は見させてもらってますので、知っています。私は実績のある馬を重視しますが、亀谷さんは「血統」を使うので、過去に重い馬場で結果を残してない馬でも判断できますよね。そこは参考になります。

ジャパンカップの「トラックバイアス」はどうなる!?

亀谷×馬場

亀谷 この対談はジャパンカップの週に掲載されるそうなので、ジャパンカップのトラックバイアスなどの特徴を教えてもらえますか?

馬場 ジャパンカップは3年連続で内有利のレースでした。

亀谷 2014年2015年はわかるんだけれど、昨年も内有利でした?

馬場 確かに、昨年は馬場状態自体はインが荒れていました。ただし、ジャパンカップは騎手が内が荒れているのを意識しすぎて、道中でペースをおさえすぎたのです。

亀谷 あぁ、最近よくあるパターンですよね。騎手が馬場を考えすぎて、極端にペースが落ちるパターン。その結果、逃げるキタサンブラックには絶好の展開になったと。それにしてもキタサンブラックは、結果的に有利になるような競馬に持ち込む実力を持った馬ですよね。

亀谷×馬場

馬場 まったく……。

亀谷 今年のジャパンカップもイン有利ですかね?

馬場 そこは、わからないですね。ここ数年の東京芝は、馬場の作り方も毎年違いますし。

亀谷 なるほど、では、前哨戦の天皇賞(秋)を分析しましょうか。かなり特殊な馬場でしたよねー。

馬場 前に行く馬には不利な馬場だったので、騎手は意識して外を通っていましたけれど、結果的には内を通った方が有利でした。天皇賞のコースは内を通ることも物理(コース形態)的に有利ですし。

亀谷 内の差し馬有利な馬場だったんですね。でも、天皇賞自体がメチャクチャ特殊な馬場だったんで、凡走した馬は、どの馬も度外視できるような(笑)。

馬場 おっしゃる通りです……。

亀谷 まとめると、天皇賞凡走馬で、ジャパンカップでは内を通れそうな馬を狙うと。

馬場 天皇賞の結果と、ジャパンカップの傾向からはそうなりますけど、先入観を持ちすぎないように土曜の馬場も参考にして最終決断を下したいです。

亀谷 ですよねー。本当は「この馬を狙おう」とか平日は考えないほうが絶対いい(笑)。まずは、どの馬を狙おうとか考えないで、馬場の傾向を冷静に見たほうがいいんですよね。今回もいろいろとお話できて楽しかったです。今後もお互いに全力を尽くしましょう。ありがとうございました。

亀谷敬正

亀谷敬正

血統光線研究所所長にして、競馬予想のレッスンプロ。血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。「ウマい馬券」にて予想公開中。

  • ウマい馬券

馬場虎太郎

馬場虎太郎

トラックバイアス(馬場の偏り)を利用した馬券術を用いる馬場分析のプロフェッショナル。JRA発表の馬場状態ではなく独自の指標を用いて真の馬場適性を分析、またパトロールビデオと綿密なデータ分析によって「トラックバイアスの不利」を受けた馬を導き出す。「ウマい馬券」にて予想公開中。

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