今年も競馬界を席巻した外国人騎手たち

2017年12月09日(土) 12:00


◆数字に見る外国人騎手の凄まじい活躍

 先週の土、日曜日に行われたJRAの重賞3レースを、すべて外国人ジョッキーが制しました。そのうちの2勝はムーア騎手が挙げたものですが、まぁとにかく、重賞競走での彼らの活躍は、今年になって一段と凄まじさを増しています。

 みなさんもご存知とは思いますが、それは数字を見れば一目瞭然。以下に、目立つところをまとめてみました。

◯9月第4週の神戸新聞杯から12月第1週の3レースまで、11週連続で優勝

◯M・デムーロ騎手が18勝(おととしの11勝、去年の13勝を上回り、自己最多)。G1ではこれも自己最多の6勝を挙げ、オークスからマイルCSまで10戦連続で馬券対象(3着以内)に

◯ルメール騎手が13勝(去年の13勝に並び、自己最多タイ)。ヴィクトリアマイル、オークス、ダービーでG1・3連勝

◯ムーア騎手が3勝(おととし、去年の2勝を上回り、13年と並ぶ自己最多タイ)

◯C・デムーロ騎手が2勝(13年に3勝して以来、4年ぶりの勝利をマーク)

◯ここまでに行われた平地重賞120レースのうち39レースで外国人騎手が優勝(外国人騎手の騎乗がなかったのが20レースあり、騎乗があった100レースで言えば勝率.390)

◯平地G1では20レース中12レースで優勝(勝率.600。秋に限れば8レース中7レース。同.875)

◯平地G1で外国人騎手が馬券に絡まなかったのは、大阪杯とNHKマイルCだけ

 まだまだありますが、このくらいにしておきましょう。

 重賞以外に話を拡げると、こんな数字も出てきます。

◯藤沢和雄調教師が挙げた41勝のうち32勝(78%)がルメール騎手騎乗によるもの。残る9勝のうち3勝はシュミノー騎手、1勝がティターン騎手。通算では36勝(87.8%)が外国人騎手の手綱(去年は51勝のうち24勝が外国人騎手)

◯堀宣行調教師は、M・デムーロで9勝、ルメールで7勝、モレイラとムーアで5勝ずつをマーク。全44勝中30勝(68.2%)が外国人騎手によるもの。

◯国枝栄調教師の全45勝中11勝(24.4%)がルメール騎手。

 つまり、関東のトップ3きゅう舎をあわせると、実に59.2%の勝利が外国人騎手によってもたらされたものになるわけです。

 今年のJRA開催日がまだ7日も残っている時点でこういう数字。それをどう受け止めるかは人によって違うでしょうね。でも、結果がモノを言う勝負の世界ですから、外国人ジョッキーの大攻勢はさらに勢いを増していきそうな気がします。

 ハッキリ言って、モンゴル出身力士に席巻された大相撲と同じようなことが、競馬でも起きているのです。大げさに言えば、日本は、外国のみなさんの力に頼らざるを得ない国、ってことかもしれませんね。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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