「印と買い目で語る美少女ヒューマノイドの想い」<第9回>RENA

2018年02月13日(火) 18:00

RENA

大雪にもかかわらず、わざわざ取材に応じてくれた彼女の誠実な姿勢は、勝てる予想を願い続けるRENAにも反映されている。

昨年10月、「ウマい馬券」でデビューするや否や、高配当の的中を連発。その愛らしいルックスも相まって、一躍「ウマい馬券」で売れ筋トップの地位に上り詰めたRENA。「勝てる予想を提供することが地方競馬の魅力を広めること」という信念のもと、「安定収支型ローリスク予想」という、これまで一撃の爆発力が売りだった指数予想の既成概念を覆す新たなスタイルで多くのファンを獲得してきた。今もなお、売れ筋上位で安定した成績を残し続ける美少女ヒューマノイドの製作者に、その開発秘話をうかがった。

「“的中する喜び”を体験してほしい」。その想いが開発の原点

「遅れて、すみません」

 振り返ると、そこに立っていたのは痩身で、雪のような透き通る肌をした一人の女性。齢30代前半だろうか。快活なイメージのRENAとは似ても似つかぬ、例えるなら『銀河鉄道999』に登場する謎の女性・メーテルを思わせるような長身の美女だった。

 彼女と表参道にあるカフェで待ち合わせたのは1月22日のこと。そう、首都圏が4年ぶりの大雪に見舞われた日だった。暖かい店内に入ると、その絹肌がみるみる紅潮し、当初はややこわばっていた表情にも幾分柔らかさが戻ってきた。

「元来の馬好きが高じて、もともとは育成牧場で働いていたんです。その育成牧場で馴致を手掛けた馬は地方競馬でデビューすることが多く、私が担当していた馬も地方でデビューした馬がほとんどでした。ですから、中央よりもむしろ地方競馬のほうが親近感ありましたね。それに地方の予想をしている人が、それほど多くありませんでしたから」

 運ばれてきた暖かいカフェ・ラテをすすりながら、地方競馬で予想をすることに至った経緯を話してくれた彼女。印と買い目だけで勝負するRENA同様、本人は口下手だといっていたが、こちらの求めているであろう答えを先読みし、しっかりとした口調で話してくれた。

「中央競馬は週末だけですが、地方競馬は毎日開催してますよね。そこで長く馬券を楽しむためには、やはり“的中する喜び”を体感してほしいと思っていましたし、そのためにはリスクを抑える必要があったんです。それが、このヒューマノイド開発のコンセプト“安定回収型ローリスク予想”の原点になっています」

RENA

取材当日に降った大雪が、余計に彼女の肌の白さを際立たせていた。

逃げ、先行脚質を軸に配当妙味を勘案して軸を決定

 では、実際に提供している買い目はどのようにして算出されているだろうか。その核心に迫ると、躊躇することなく、プログラミングの内容を包み隠さず話してくれた。

「基本となっているのは脚質、そしてジョッキーです。そこに、期待値と呼んでいるエッセンスを加えて印を表出しています。RENAは時おり、低い人気の馬に敢然と本命を打ったりしますが、それはそうした期待値が予想に反映された結果なのです」

 基本的に地方の競馬場は小回りコースが多く、逃げ・先行脚質が圧倒的に有利というのはゆるぎない事実である。それを前提として過去の成績や枠順、想定されるオッズなどを勘案し、期待値を算出する。結果、人気に逆らえずグリグリの本命馬に◎を打つこともあるが、配当妙味のある馬に本命を打つことも多く、それが好配当を運んでくるのである。

「例えば、追い込み脚質の単勝1倍台の大本命と、内枠でしかも展開的に楽にハナを奪えそうな4番人気ぐらいの馬がいたとします。そうすると、馬券的に旨味があるのは間違いなく後者ですよね。RENAが狙うのは、そうした類の馬なんです」

 いよいよ本降りになってきた雪を窓越しに見ながら語るその語り口は、慌しそうに家路を急ぐ人たちとは対照的に、じつに落ち着き払ったもの。RENAは自身の投影と語る彼女だが、物静かな口調はまさに印と買い目だけで予想を語るRENAそのものである。

RENA

RENAの予想には脚質や騎手の手腕、そして配当妙味を勘案した期待値が盛り込まれており、なるべくトリガミにならないような仕組みになっている。

かたくなに単勝と馬単で勝負する深〜いワケとは?

 しかし、一見すると無機質な予想とは対照的に、的中実績はじつに雄弁だ。昨年11月に大井で記録した馬単31万超の払戻を筆頭に、競馬場、条件を問わずに次々と高配当をマーク。それだけ実績があるなら、何も単勝や馬単でなく、3連単や3連複で勝負してもいいのでは? 頭に浮かんだ素朴な疑問をぶつけると、彼女は頭を振ってこう答えた。

「そもそもRENAは配当妙味をふまえて軸馬を決めるのですが、それでも人気馬を選んでしまうケースが少なくありません。とくに、力の差が明白な地方ならなおさらです。そこで、着順を固定した馬単を組み合わせることで高額の払戻を仕留めるようにできているのです。ところが、3連単や3連複といった馬券の場合、計算しきれない穴馬が3着に飛び込んでくる確率が高いので途端に回収率が落ちるんです。全レースで予想をしている以上、回収率の低下は避けたいところですし、何より当たり馬券を提供することが至上命題ですから」

 12月から始めた中央の予想でも、翌月には早々と10万超の払戻を記録し、きさらぎ賞でも単勝と馬単のW的中で6万弱をGETした。

「地方に比べるとまだ特大の高額配当は的中できていませんが、それは地方に比べて中央馬の能力差がつきづらいことに起因しています。それに地方の場合、理論が確立しているので、単純に印と買い目だけでいいのですが、中央では能力差が小さいので、そこに“出遅れ”や“道中やゴール前の不利”といった材料をデータ化して盛り込んでいることが、地方と中央の大きな違いですかね。中央の予想では見解も記載していますが、それは単純に印だけでは表現しきれない要素をフォローしています」

 大雪の影響で帰宅する電車がなくなることを考慮して、この日の取材はこれで切り上げたが、その後も交流重賞に限れば、TCK女王盃と川崎記念、佐賀記念と高配当を的中。地方レース全体を見ると最近はやや低迷しているとはいえ、ここ一番での頼りになる勝負強さにはいささかの陰りも見られない。その勢いにあやかろうと、今週末に迫ったフェブラリーSについて、電話取材で見解をうかがうと、

「今のところ根岸Sのようなレース展開になると推測しているので、ノンコノユメとサンライズノヴァには印が付くと思います。ただ、先行勢がどの枠に入るかによってレースの流れが変わってくる可能性もあるので、最終的にどの馬が本命になるかは週末の予想を楽しみにしていてください」

 そういって、悪戯っぽくほほ笑んだ彼女の姿が脳裏に浮かんだ。

RENA

インタビューの最後には「これからも勝てる予想を提供していきたい」と力強い眼差しで話してくれた。

RENAは『ウマい馬券』で中央・地方、全場全レースの予想を公開中!

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