【フェブラリーS】古川吉洋騎手×テイエムジンソク(前編)『高いテンションは競馬にいくと集中力に変わる』

2018年02月15日(木) 18:02

GIドキュメント

▲いざフェブラリーSへ!主戦の古川吉洋騎手に直前の心境を直撃 (C)netkeiba.com

テイエムジンソクが2度目のGI挑戦となるフェブラリーSに出走する。一昨年の夏に降級した同馬は、準オープンで7戦連続掲示板圏内。常に上位争いに加わり、着実に力を蓄えた。そして昨年5月、降級8戦目で待望の勝利を挙げると、そこから3連勝ののちに重賞制覇、そして初GI挑戦の昨年チャンピオンズCで僅差の2着と、トップホースへの階段を一気に駆け上がった。

転機となった準オープン勝利時からコンビを組むのは古川吉洋騎手。「花の12期生」と呼ばれた競馬学校12期生としてデビュー。福永祐一騎手、和田竜二騎手らがいる中で同期一番乗りでGI制覇を遂げた。しかし、その後は年間4勝しか挙げられない年もあった。

「チャンスがいつやってくるかも分からなかったけど、コツコツ準備をしていた」時代を経て、昨年は自身最多タイの年間38勝(地方含む)を挙げると、今年もすでに重賞2勝。40歳を迎え、さらなるパワーアップを遂げている。目に見える形で結果が表れなくとも、努力を続け力を蓄えてきた。雌伏の時を経てGI・フェブラリーSの舞台に立つ1頭と1人のコンビが織りなす物語に迫りたい。(取材・文:大恵陽子)


実際に騎乗してみて、印象はいい意味で崩れた

 テイエムジンソクがデビューしたのは2015年3月。竹之下智明騎手とのコンビだった。2戦目で初勝利を挙げ、その後も調教・レースともに竹之下騎手とコンビを組み続け4歳春にオープン入り。直後に降級し、以降7戦で掲示板を外さない堅実な走りぶりを見せた。のちに木原一良調教師は「あの時、準オープンでずっと戦っていたことで、力がついたのかもしれませんね」と振り返った。

 3カ月の休養明けとなった2017年5月28日東大路S(京都ダート1800m)で、まさしく力をつけたところ見せた。降級8戦目、鞍上に新たに古川吉洋騎手を迎えると、直線で後続を突き放し4馬身差の完勝だった。

 古川騎手はそれまでのテイエムジンソクのレースぶりから「手応えの割に伸び切れないのかな?」という印象を抱いていたのだという。いい意味で、裏切ってくれた。

 その後、夏は北海道に滞在した。北の大地では古川騎手が毎日調教に乗り、さらに信頼関係を積み上げ、大沼S、マリーンSとオープン特別を連勝した。

「勝ったから終着点ではないですから、調教でも常々、何かないかな? って考えていました。燃えやすいタイプの馬なのでテンションには気を付けています。調教師や助手、厩務員さんは僕よりももっと時間をかけて、僕以上に気を付けてくれています。走ることに真面目な子なんですが、悪い言い方をするとすぐにテンションが高くなって興奮しやすい部分があるんです。でも、それが競馬にいくと走ることに集中していい方に出ていますよね」・・・

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