2018年02月21日(水) 18:01
▲公私共に頼りにしている佑介騎手の前で、2年間の苦悩を初告白
「この取材に間に合うように」との宣言通り、2月4日にJRA通算900勝を達成した浜中俊騎手。実はこの連載の開始時から、佑介騎手に「早くゲストに呼んでください!」と言ってくれていたそう。浜中騎手にとって3期上の佑介騎手は、公私共に頼りにしている先輩。これまでメディアには語ってこなかった2年間の苦悩を、佑介騎手の前で語る決意をしました。(取材・構成:不破由妃子)
佑介 900勝達成、おめでとう!
浜中 ありがとうございます。この取材に間に合ってよかった(笑)。僕はいつ“with 佑”できるんだろうと、ずっと待ってたんですから!
佑介 この企画が始まった頃から、「いつ呼んでくれるんですか? はよ呼んでくださいよ!」って、いつも言ってたもんな(笑)。たしかに、後輩のなかでは一番に呼ぶべき存在なんやけど、なかなかタイミングが…。いろんな意味でね、この900勝がちょうどいいんじゃないかと思ってね。
浜中 このお話をもらってから2、3週間あったので、「それまでに900勝は達成しておきますね」って藤岡先輩に宣言していたんですよね。でも、なかなか決められへんかったから、焦る、焦る(笑)。でも、ギリギリ間に合ってホントによかったです。
▲「この取材に間に合うように」と、取材の前週にJRA通算900勝を達成 (撮影:下野雄規)
佑介 この2年、ジョッキーになってから初めてともいえるつらい時期を過ごしたと思うけど、今日はその間のことや、そういう時期を経てどう変わったのかなど、改めていろいろ話したいなと思ってね。NGワードなしで!
浜中 もちろんです。何でも聞いてください。僕、悩んだりしても、あんまり人に話さないんですけど、藤岡先輩にはけっこういろいろと話を聞いてもらってきましたよね。
佑介 うん、要所要所でね。
浜中 藤岡先輩が長期でフランスに行くって聞いたときも、「どうしよ…。相談できる人がいなくなっちゃう」って本気で心細かったんですから。
佑介 そうなんや(笑)。でも、一番大変だったのはこの2年でしょ。ケガが続いたし、上手くいかへんことも多くて。その都度、話も聞いていたけど、大変そうやなぁと思ってた。それまでが順調だったから余計にね。だって、リーディングを獲ったのって、24歳でしょ(2012年)? すごいよ、ホンマに。
浜中 正直、「うわッ、獲っちゃった!」っていう感じでしたけどね。結果的に獲ることができましたけど、そのうれしさよりも、当時はGIを勝てない悩みのほうが大きかったような気がします。実際、「GI未勝利でのリーディングは何年ぶり」とか、たくさん目にしましたしね。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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