2018年10月11日(木) 18:01
▲細江純子さんが「馬は人の感情を読み取る」の研究結果に迫る特別対談
2018年6月21日、英科学誌電子版に馬に関する注目の研究結果が発表されました。『ヒトの感情シグナルに敏感なウマ 〜ウマはヒトの表情と声を関連づけて感情を読みとることが明らかに〜』。発表したのは、北海道大学大学院文学研究科の瀧本彩加准教授や、東京大学大学院総合文化研究科修士課程2年の中村航介さんらのグループ。この研究テーマに大きな関心を抱いた細江純子さんと、瀧本准教授・中村さんの特別対談を9日(火)から12日(金)の4日間連続で掲載します。
(構成:不破由妃子)
細江 今回の実験では、想定通りの期待違反の反応が見られたとのことですが、その内容についてもう少し具体的にお聞きしてもいいですか? まず、実験をする場所というか、どういう状況で写真を見せて、音声を聞かせたのかなと思いまして。
中村 それはですね、実験をする部屋にスクリーンを設置してそこに画像を映し、そのスクリーンの後ろからスピーカーで音声を流したんです。だから、最初はスクリーンの馴致から始めたんです。これがけっこう大変でしたね。
細江 ああ、なるほど。馬にしてみれば、「一体何をするんだろう…」となりますものね。人の表情の画像というのは、馬がその部屋に入ってから出すんですか? それとも最初から出してあるんですか?
中村 その部屋に連れて行くだけで少し心拍数が上がるので、まずは心拍が落ち着くのを待ちます。落ち着いたことを確認し、その15秒後から30秒間画像を出して、画像を消してから音を出すんです。
▲実際の実験風景、馬がスクリーンに映し出された人の表情を見ている様子(撮影日:2016年9月25日、撮影者:中村航介さん)
細江 あ、画像を消してから音声を出すんですね。さきほどお話されていた繁みに隠れるのと同じ理論?
瀧本 そうです、そうです。今回は馬がスクリーンのほうを見る時間とか、スクリーンを見返すまでの時間のデータを取ったので、何に対して反応をしたのかというのをハッキリさせる必要がありましたから。・・・
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