今回の秋華賞は“アーモンドアイ絶対”なんでしょうか?

2018年10月13日(土) 12:00

オークスからの直行で3冠を制したら、史上初の快挙ですが…

 いよいよ今週から年末のホープフルSまで、12週連続でG1レースが開催されます(ホープフルSは12月28日の金曜日に行われますが、これを有馬記念の“翌週”としました)。

 ということは、もうあと12週で「今年も終わりで〜すね〜」です(そう、吉幾三さんの『雪國』の一節。古いかな)。ウカウカしていると、アッという間に終わっちゃいますよ(つい最近、そんなことを書いたような…)。

 さて、今週は秋華賞。アーモンドアイの3冠制覇がかかっています。これまでに牝馬3冠(桜花賞+オークスと、1995年まではエリザベス女王杯、96年からは秋華賞)を制した馬は、ご存知のとおり、86年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、10年アパパネ、12年ジェンティルドンナの4頭です。

 「4頭しかいない」のか、「4頭もいる」のか。それはどっちとも正しいんじゃないか、と思います。

 牡の3冠馬(皐月賞、ダービー、菊花賞制覇)は、これまでに7頭誕生しています。とはいえ、これは3冠レースが揃った1939年から去年までの79年間でのこと。単純に計算すれば、11.3年に1頭という割合です。

 一方、牝馬3冠レースが揃ったのは1976年。それから42年で4頭生まれているわけですから、10.5年に1頭は3冠馬が現れています。出現確率は牡馬をほんのちょっととはいえ上回っているんですよね。

 そして、ミスターシービーが牡馬三冠制覇を達成した1983年を“起点”とすると、牡は5頭、牝は4頭が3冠馬になりました。今回、アーモンドアイが3冠を制すれば、“牡牝同数”で、しかも牝馬は86年以降に全5頭が含まれることになります。「牝馬3冠馬のほうが誕生しやすい」。そう言ってしまうのは早計でしょうかねぇ…。

 まぁそこまで言わなくても、「牡馬3冠に比べて牝馬3冠のほうが珍しいわけではない。牡牝ともに、ほぼ同じくらいのペースで3冠馬が誕生している」ということはお分かりいただけたと思います。

 さて、今回の秋華賞は“アーモンドアイ絶対”なんでしょうか? もういろいろなところに書かれているはずですが、これまでの3冠牝馬は、すべてオークスと秋華賞(またはエリザベス女王杯)の間にローズSを走っていました。

 アーモンドアイはオークスからの直行。これで3冠を制したら、史上初の快挙になるわけです。これまでの実績からすれば、同馬にとって最大のライバルとなりそうなラッキーライラックもぶっつけ本番。それなら、ローズS1、2着のカンタービレ、サラキアとか、3連勝中の上がり馬・ミッキーチャームを頭にした馬券をちょっとだけ買ってみるのもおもしろいかもしれません。

 でも、メンバーを見渡すと、前に行きそうな馬がやたらといるような…。トーセンブレスやプリモシーンの追い込みが届かないかなぁ。今回も大いに迷っているところです。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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