2019年03月07日(木) 18:00
▲タスマニア拠点馬として初めてG1を制したミスティックジャーニー(写真は19年オーストラリアンギニーズ優勝時、提供:Racing Photos)
(3月7日号 文=ポール・シムズ)
メルボルンの競馬統括団体「レーシング・ヴィクトリア」は4日、今年新設されるG1ジ・オールスターマイルに出走予定のワイルドカード4頭を発表した。賞金総額500万豪ドルの世界一豪華なマイル戦、さらに一般ファン投票から出走馬を選出するという豪州競馬史上初の試みとなったジ・オールスターマイル。このコラムですでにお伝えしたファン投票上位10頭以外に、主催者から選出されたワイルドカード4頭をご紹介しよう。
まず1頭目は、2日(土)にフレミントン競馬場で行われたG1オーストラリアンギニーズ(芝1600m)に優勝したアダム・トリンダー厩舎のミスティックジャーニー(牝3)である。タスマニアを拠点とする馬がG1を制したのは、グレード制導入後初めての快挙で、レーシング・ヴィクトリアのレーシング・エグゼクティヴ・ゼネラルマネージャーを務めるグレッグ・カーペンター氏は、「タスマニア調教馬のミスティックジャーニーは、5連勝でG1初制覇を成し遂げました。これまでキャリア12戦で、100万豪ドルを超える賞金を獲得している彼女を選出しない理由は見当たりませんでした」と話す。
次に選ばれたのは、昨年9月にランドウィック競馬場で行われたG1エプソムH(芝1600m)を、トラックレコードでG1・4勝目をあげたゴドルフィンのハートネル(セン8)である。エプソムH以降は勝ち星こそないが、前走2月23日(土)にコーフィールド競馬場で行われたG1フューチュリティS(芝1400m)で3着と健闘している。
ワイルドカード3頭目は、G1オーストラリアンギニーズでミスティックジャーニーの2着となったホークショット(セン3)。元リーディングトレーナーのダレン・ウィーア調教師の逮捕に伴い、D&Bヘイズ&デイバーニッグ厩舎に転厩直後の9日(土)にコーフィールド競馬場で行われたG2オータムS(芝1400m)を快勝し、重賞初制覇を果たした。
そしてもう1頭は、パット・ウェブスター厩舎のハッピークラッパー(セン8)である。これまでG1・3勝を挙げており、今年に入り出走したG2アポロS(芝1400m)とG1チッピングノートンS(芝1600m)でいずれもウィンクスの2着に健闘した。以前からワイルドカードの最有力候補として名前が挙がっていた馬だ。
以上の4頭を含め、14頭がラインナップされたジ・オールスターマイルの枠順抽選会は、12日(火)午前11時(オーストラリア時間)から行われ、3月16日(土)フレミントン競馬場でいよいよ本番を迎える。
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Racing Victoria
1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。
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