6週連続G1のフェスティヴァル・オヴ・レーシング 今週末でフィナーレ

2019年03月21日(木) 18:00

ビクトリア競馬便り

▲ジ・オールスターマイルの初代女王に輝いたミスティックジャーニー(写真は19年オーストラリアンギニーズ優勝時、提供:Racing Photos)

(3月21日号 文=ポール・シムズ)

380万豪ドルを稼ぐ3歳牝馬、サンライトがG1連勝へ

 2月から6週間にわたって開催されているヴィクトリア州における秋の競馬の祭典「フェスティヴァル・オヴ・レーシング」は、いよいよ今週末でフィナーレを迎える。

 フェスティヴァル最後のG1となるのは、22日(金)にムーニーヴァレイ競馬場で行われるナイトレーシング開催のウィリアムレイドS(芝1200m)である。

 このレースには、9日(土)にフレミントン競馬場で行われ、日本から移籍したブレイブスマッシュが3着になったG1ニューマーケットH(芝1200m)を制したサンライト(牝3)が、G1連勝を目指して出走する予定。

 14戦のキャリアながら9勝を挙げ、380万豪ドルを超える賞金を獲得しているサンライトの対戦相手となるのは、昨年のG1ブルーダイヤモンドSを制したウリトゥンバイ(牡3)のほか、これまでG1・3勝を挙げているアンソニー・フリードマン厩舎のショウルズ(牝4)など10頭立ての見込みだ。

「フェスティヴァル・オヴ・レーシング」の最終日となる23日(土)には、芝2400mを舞台とした準重賞モーニントンCが行われ、優勝馬には、10月に行われるG1コーフィールドカップ(芝2400m)への優先出走権が与えられる。

タスマニアの女傑がジ・オールスターマイルの初代女王に

 世界最高賞金のマイル戦として新設されたジ・オールスターマイルは、タスマニア拠点馬のミスティックジャーニー(牝3)が、ゴドルフィンの強豪ハートネル(セン8)やアリーゼー(牝4)らを退けて優勝した。

 元障害騎手のアダム・トリンダー調教師が管理するミスティックジャーニーは、ジ・オールスターマイルのファン投票で選出された馬ではなく、同レースの2週間前にフレミントン競馬場で行われたG1オーストラリアンギニーズ(芝1600m)を制した後に、主催者である「レーシング・ヴィクトリア」が発表した4頭のワイルドカードに選ばれ、出走権を獲得した馬である。

 この勝利によって、ミスティックジャーニーは、豪州における連勝記録と最多G1勝利記録を樹立した名牝ウィンクスの後継牝馬になるに違いないという周囲の期待が高まっている。

 ミスティックジャーニーはタスマニアの1歳馬セールにおいて、シドニー在住の元弁護士ウェイン・ローザー氏がわずか11,000豪ドルで落札した馬である。ジ・オールスターマイルを勝って6連勝とし、優勝賞金225万豪ドルを獲得したミスティックジャーニーの通算賞金総額は320万豪ドルを超えた。

 豪州競馬初のファン投票によって出走馬が決まるレースとして注目を集めたジ・オールスターマイルのもう1つの目玉が、投票したファンに与えられる「オーナーアンバサダー」という資格であった。

 このシステムは、ジ・オールスターマイルの出走馬に投票した人の中から抽選で10名の方に、最高25万豪ドルが当選するボーナスチャンスで、ファンにとってはぜひとも見逃せないビッグ企画だった。

 見事に最高賞金25万豪ドルを手にしたのは、ヴィクトリア州ジロング在住のダミエン・マーネイン氏。実はマーネイン氏が最初に投票したのはモスンデールという6歳のセン馬だったのだが、投票によって決まる出走馬以外のワイルドカード4頭については、抽選に外れた方から選ばれるセカンドチャンスが与えられており、マーネイン氏は文字通り「最も幸運な人」となったのである。

 マーネイン氏は、獲得した賞金で、夫人とアメリカ旅行を計画しているそうだ。

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Racing Victoria

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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