世代交代加速、今年“から”は4歳馬が中心/鳴尾記念

2019年05月31日(金) 18:00

クラス再編成制度廃止による変化

 2012年から6月に移動したこの重賞は、それまで12月だった。中心となっていたのは上昇中の若い3歳馬と、ようやく本物になった4歳馬だった。それが半年早い6月に移って変化したのは、出走できる年齢は同じ「3歳以上」でも、まだ日本ダービーが終わったばかり。古馬と混合レースになる3歳オープン馬の出走は過去7年間「0頭」だった。今年も同じ。

 昨年まで、4歳馬は「条件賞金」が半額になるクラス再編成になる時期だった。1600万条件や、中には1000万条件に移動するオープン馬もいて、出走希望馬は少ない。さらには、直近までGI-GII級で戦っていた実力馬にとっては、もともと目標とする重賞ではなく予定のローテーションに入っていない。4歳馬の出走は最近7年間、順に「3,2,0,1,1,0,2」頭。極端に少なかった。

 しかし、今年からクラス再編成制度がなくなった。たとえば、条件賞金3200万円の4歳タニノフランケルは、昨年までなら今週から1600万条件馬なのに、引き続きオープンクラスとなった。そのタニノフランケル陣営(角居厩舎)は、ここが手薄なメンバーになるのは近年の傾向から分かっている。

 条件再編成で1600万下に移動できないのは厳しいかもしれないが、ここは狙いの一戦と推理することもできる。だから武豊騎手であり、能力比較にプラスアルファを考える必要がある。

 ほかの4歳馬はクラス再編成があってもオープンだが、今年の4歳馬の出走は、9頭中「4頭」にもなる。過去7年の傾向は「5歳以上馬」の勝利、好走が断然多かったが、降級制度廃止、早まる2歳戦、3歳未勝利戦は夏まで…など、確実に世代交代は早まる流れにある。

 本物になったメールドグラース中心に買うが、絶好調ギベオン、ここを狙っていたフシもあるタニノフランケル、ランクは明らかに一枚上のステイフーリッシュ。今年(から)は、4歳馬が中心だろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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