【スペシャル企画】「太のはしご酒」第2回 闘う50代の本音…この機会にお互い聞いてみたいこと

2019年09月18日(水) 18:01

太論

▲前回に引き続き同級生対談!

同級生対談第2弾のテーマは、「この機会にお互い聞いてみたいこと」。熊沢騎手の“こだわり食材”で盛り上がるなか、小牧騎手のストーカー気質が明らかに!? また、この二人ならではの「いつまで乗るの?」談義のなかで、それぞれに“プライド”について言及。はたして闘う50代の本音とは──。(取材・文:不破由妃子)

答えはわかっているけど……「いつまで乗るの?」

──今日は初飲みということで、この機会にお互い聞いてみたいことはありませんか? トレーニングや食事の管理のことなど何でもいいです。

小牧 そうやなぁ。熊ちゃんは何か食べ物にこだわりはあるの?

熊沢 いや、とくにないんだよね。そのとき食べたいものを食べる。

小牧 うそやん(笑)。聞いといてなんやけど、俺、知ってるんやで。調整ルームで、烏骨鶏の卵とか山芋とか、自分で持ち込んで食べてるやん。

熊沢 ああ、あれはね、ネットでお取り寄せしてるこだわりの品々です(笑)。

小牧 せやろ? 俺、熊ちゃんのことはよう見てんねん。何を食べてんのかとか、いつもチェックしてんねんで(笑)。

熊沢 知らなかった(苦笑)。すり下ろした山芋を小分けにしたパックが売っててね。それに烏骨鶏の卵と納豆を混ぜたりとかして食べてる。元気が出る食べ物だからね。

小牧 やっぱりこだわってるんや。あとさ、甘酒も飲んでへん?

熊沢 あ、飲んでる、飲んでる。甘酒は「飲む点滴」っていわれるほど栄養があるらしいからね。

小牧 俺、熊ちゃんが甘酒を飲んでるのを見て、すぐに調べてん。そしたらめっちゃ体にいいって書いてあったから、それを真似して、今ではお取り寄せして飲んでる(笑)。炭酸入りのがあって、めっちゃ美味しい。今日も2本くらい飲んできたで。俺、熊ちゃんのこと、ホンマによう知ってるやろ? ちゃっかりチェックしてんねん。

──若干ストーカー入ってますね(苦笑)。

小牧 せやねん(笑)。でもね、やっぱりいいものは真似したいから。あとは? 炭水化物を抜いたりとかしてへんの?

熊沢 “抜く”系のこだわりはまったくないね。ちゃんと食べて、減量するときはしっかり減量してっていう感じ。必ず飲んでるのは、甘酒とR-1とコラーゲンのゼリーかな。

小牧 コラーゲンのゼリー!? 熊ちゃん情報に詳しい俺でもそれは知らんかった。

熊沢 コラーゲンはね、体の組織を作るのにすごく大事な要素らしいので。骨折したときなんかにいいらしいから、毎日飲むようにしていて。

──小牧さんもさっそく…。

小牧 お取り寄せせな(笑)。

熊沢 小牧さんだって、調整ルームでいっつもスプラウト食べてるじゃん。俺、知ってるよ(笑)。

小牧 うん。あれはね、いいアテになるし、栄養もあるし、太らへんねん。ただ、3日続けて食べると、さすがに飽きる(苦笑)。あと、熊ちゃんに聞きたいことといえば…、「一生ジョッキーを続ける覚悟でいるでしょ?」っていうことかな。聞きたいことというより、確認したいことやね。

熊沢 それはお互いさまだと思う。言い方を換えれば、「いつまで乗るの?」っていう質問になるのかもしれないけど。でも、答えはわかっちゃってるんだけどね。

小牧 乗れるうちはずっと…でしょ? ただ、自分が続けたいと思っていても、乗せてもらえへんかったら成り立たん仕事やから。

熊沢 乗り役はそこがあるからね。続けたくても続けられないケースもある。

小牧 そうやねぇ。若い子に乗せ替えられたりすることもあるけど、最近思うのは、もうそういうのに慣れていかんことには長く乗られへんということ。いちいちへこたれていられへん。

熊沢 気にしていたら、気持ちが持たないよね。

小牧 そうそう。実際はね、そういうことに慣れるのはなかなか難しい。でも、いちいち落ち込んでいられへんし、今に見てろよっていう気持ちを持ちつつも、プライドを捨てなアカンなと思って。プライドを持っていたら、長くは続けられへん。

熊沢 うん。ジョッキーを続けているうちは、プライドは必要ない。実際、そんなに大切なモノじゃない。負けることのほうが圧倒的に多いんだから。

小牧 そうやね。最近、つくづく思うわ。乗り続けたいのであれば、ホンマにプライドは必要ないなって。

熊沢 うん、むしろ邪魔なだけ。やっぱり馬に乗ってこそ、結果を出してこそだし。

小牧 せやねん。自分でもわかるやん。結果を出してないのに、プライドもなにもないって。

熊沢 そのぶん結果を出したときにね、思い切り自分のなかで感じればいいと俺は思ってる。

小牧 ホンマやね。乗り替わりでいうと、障害ではあんまりないやろ?

熊沢 そうだね。ケガをしているあいだに乗り替わって、結局そのまま戻ってこないケースはあるけど、順調に乗っていて乗り替わることはまずないかな。とにかく俺は、馬を作るだけ作っているので、あとは調教師次第だから。俺が年だから頼んでくれないのかどうかは知らないけど、それならそれでいいと思っているし。あとは、できる限り営業して、馬を作って…の繰り返し。やっぱり結果を出していないと、必然的に乗り馬は少なくなっていくからね。

小牧 そうやねんなぁ。とにかく結果を出さなアカンねん。熊ちゃん、営業してるんやね。

熊沢 俺はエージェントをつけてないから。といっても、大したことはしてないよ。ちょこっと調教師さんのところに顔を出して、「乗る馬いませんか?」くらいの話をするだけで。やっぱりそれくらいはしないと、待っているだけではチャンスは巡ってこない。

小牧 熊ちゃん、偉いなぁ。俺も「たまには乗せてくださいよ」ってお願いすることはあるけど、基本的にはエージェントがあいだに入ってるからね。

熊沢 そうだよね。俺たちはそういうのがないから。最近は障害に下ろす馬も少なくなってきているから、やれることはやっていかないとと思ってね。

太論

▲「やれることはやっていかないとと思ってね」

【今回のお店】

炙り焼き、地鶏の焼鳥が楽しめる居酒屋「炙り屋 あとり」

JR草津駅 徒歩5分 050-3462-3602

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小牧太

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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