メルボルンCの登録馬42頭が発表される

2019年10月31日(木) 18:00

(10月31日号 文=ポール・シムズ)

オーストラリア競馬史上12頭目の偉業達成となるか

「国の動きを止めるレース」と呼ばれるオーストラリアの国民的レースで、総賞金775万豪ドルを誇るG1メルボルンC(芝3200m)がいよいよ来週火曜日に迫るなか、28日(月)午前10時、第4次登録が締め切られ、登録馬が発表されました。ディフェンディングチャンピオンのクロスカウンターを筆頭に地元オーストラリアで注目を集めているサプライズベイビーを含めた42頭がラインナップされました。

 まずはスプリング・レーシング・カーニヴァルではお馴染みの顔となっているチャーリー・アップルビー調教師が管理する英国調教馬クロスカウンター。メルボルンCを連覇すれば、マカイビーディーヴァ以来の歴史的快挙となります。

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▲レーン騎手を乗せメルボルンC制覇を狙うメールドグラース(提供:Racing Photos)

 そして、先日のG1コーフィールドC(芝2400m)を制した日本のメールドグラースは再び鞍上にダミアン・レーン騎手を迎えての出走になります。これまで日本馬は単年でメルボルンC(2006年デルタブルース)、コーフィールドC(2014年アドマイヤラクティ)を制していますが、今年は日本勢による同年でのスプリング・レーシング・カーニヴァルの3大高額競走であるコーフィールドC、コックスプレート、メルボルンCの完全制覇を狙います。

 ちなみにコーフィールドC勝ち馬が同年にメルボルンCに優勝したケースは過去11度あり、メールドグラースはオーストラリア競馬史上12頭目の偉業を成し遂げるか、日本のみならずオーストラリアでも大きな注目を集めています。

 地元オーストラリア勢の中で最も人気となっているのが、ポール・プリュースカー厩舎のサプライズベイビーです。10月5日(土)にフレミントン競馬場で行われたG3ザバートカミングスで最後に猛烈な末脚を見せて優勝し、メルボルンCへの優先出走権を獲得しました。

 また、最近になりヨーロッパからオーストラリアのリンジーパーク(デイヴィッド・ヘイズ氏、ベン・ヘイズ氏、トム・デイバーニッグ氏の共同運営による調教施設)に移籍したコンスタンティノープルと、同じくヨーロッパからトレント・バスティン&ナタリー・ヤング厩舎に移籍したミラージュダンサーの2頭も、コーフィールドCからの出走となります。

 コンスタンティノープルは、前走のコーフィールドCで追い込み4着。また、以前は英国のマイケル・スタウト調教師が手掛けていたミラージュダンサーが3着と上位に入った2頭がコーフィールドCでのパフォーマンスが評価され、ブックメーカーによる上位人気馬に挙げられています。

 海外遠征馬の名前を見ると、10月23日に行われたG3ジロングC(芝2400m)を制したプリンスオヴアラン(チャーリー・フェロウズ厩舎)と、エイダン・オブライエン厩舎のハンティングホーンとマジックワンドの2頭の名前もラインナップされています。バリードイルの2頭は、先週土曜日(10月26日)にザ・ヴァレイで、名手ライアン・ムーア騎手を背に、オーストラリアデビューを果たしました。ハンティングホーンはG2ムーニーヴァレイゴールドC(芝2500m)を完勝し、マジックワンドはG1コックスプレート(芝2040m)で、リスグラシューの4着となりました。

 また、昨年はプリンスオヴアランが制したG3ホーザムH(11月2日、芝2500m)は優勝馬にメルボルンCへの優先出走権が与えられるラストチャンスとなるレースですので、こちらの結果も注目したいと思います。(優勝馬がメルボルンCにエントリーしている場合のみ、優先出走権が与えられます)

 一方で、第4次登録締め切りの時点で、エントリーを行わなかった有力馬もいます。アヴィリウス(ジェイムス・カミングス厩舎)、ホームズマンとユカタン(いずれもリアム・ハウリー厩舎)、ヴェリーエレガントとシャラーオー(いずれもクリス・ウォーラー厩舎)、ミスタークイッキー(フィリップ・ストーク厩舎)、ビッグデューク(クリス・リーズ厩舎)
らが、ラインナップから外れました。

 メルボルンCの最終出馬登録の締め切りは、11月2日(土)16時30分(オーストラリア時間)です。現在のエントリー馬上位35頭は、今週木曜日と金曜日に、レーシング・ヴィクトリア所属の獣医による馬体検査が実施され、最終出馬登録が可能である状態か否かを判断されます。

 現時点でのメルボルンCエントリー馬は、下記URLをご覧ください

https://cdn.racing.com/-/media/rv/2019-rv/news/files/2019-melbourne-cup-3rd-acceptances

 また、エントリー馬の情報は、下記URLにアップデートされますので、あわせてご覧ください。

https://cdn.racing.com/-/media/rv/2019-rv/news/files/2019-lexus-melbourne-cup-order-of-entry-as-at-oct-28

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Racing Victoria

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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