豪遠征の日本馬陣営のみなさんと食事をご一緒させていただきました

2019年11月14日(木) 18:01

ブレイキングドーン

▲豪遠征の日本馬陣営のみなさんと

8月7日からオーストラリアで長期武者修行を敢行している富田暁騎手(栗東・木原一良厩舎)の連載コラム。国をあげての一大イベントであるメルボルンカップが終わり、落ち着きを取り戻したオーストラリア。遠征に来ていた日本馬陣営との時間が、富田騎手のターニングポイントとなりました。

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英語恐怖症からの解放、しんどい時期を乗り越えて

 netkeibaをご覧のみなさん、こんにちは。富田暁です。

 11月に入り、本来ならオーストラリアにはもう春が来ているはずなのですが、実際は暖かくなったり寒くなったりと着る服を迷う日々が続いています(笑)。

 また、メルボルンカップも終わり、盛り上がっていた街中も少しは落ち着いたかな? という印象です。街をあげての盛り上がりもそうですが、レース当日(毎年11月1週目の火曜日)が祝日になるなんて日本では考えられないことなので、すごく驚きました。

 このスプリングカーニバル開催中には多くの日本馬がきていたため、僕も関係者のみなさんと食事をご一緒させていただく機会があり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 こちらに来て2か月目で、ちょっと気持ち的にしんどい時期でもあったのですが、たくさんの人と話をすることで、自分のなかで何かが変わったように思います。

 正直、「もう二度と英語を聞きたくない!」と思うほど英語恐怖症だったのですが(苦笑)、日本語でいろいろな方と話をすることで少しスッキリしました。

 実際、そのあとから少しずつ成績が上向き始めたことを思うと、自分にとってこの期間は、大きなターニングポイントだったのかもしれませんね。

ブレイキングドーン

▲日本語で話をすることで少しスッキリしました

 今はまだオーストラリアに来て日が浅いからと許されている部分もあると思いますが、これからメトロクラスで乗りたいと思ったら、現在の英語力ではまったく通用しません。

 もっと細かく伝えたいのはもちろん、言いたいことが伝わってないなとか思う瞬間が多々あり、自分の不甲斐なさを常に感じています。

 それでも、感じたことを相手に伝えないことには何も始まりません。課題もすごくはっきりしてきたので、最近は英語の勉強にもすごく身が入っています。

 もちろんトレーニングも忘れていません! いつ騎乗依頼が入るかわからないですし、なにしろチャンスは限られています。そのなかでしっかり結果を出していかないといけないので、ボーっとしている暇はこれっぽっちもありません。

 11月10日に挙げた7勝目は、2回目の騎乗となるCHESTERTONという馬で、あまり人気はありませんでしたが、自分としてはすごく自信を持って乗ることができたレースです。

ブレイキングドーン

▲11月10日にオーストラリアで7勝目を挙げた富田騎手

 初めて乗せていただいたのは11月5日で、結果は2着。リプレイもしっかり見ていたので、ワンペースの馬ということはわかっていたのですが、手応えが良かったために少し脚をタメようとしてしまい、勝ち馬に瞬発力で負ける…という内容でした。

 今回も前走と同じ逃げの形でしたが、前走の反省点を生かし、自分から後続を引き離すような逃げをして残すことができました。オーストラリアにきて、初めて自分で納得できる騎乗ができましたし、この勝利でまた何かをつかめたような気がしています。

 ですが、やはりテン乗りが多いので、リプレイなどを見てその馬の特徴を知り、返し馬でさらに馬を知るという感覚をもっと突き詰めていきたいです。

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富田暁

1996年12月11日、茨城県生まれ。2017年にデビュー(栗東・木原一良厩舎)。同期は木幡育也、武藤雅、横山武史、川又賢治。一度は高校に進学入学するも競馬学校受験を決意。2度目の受験で合格。2018年、仏の若手騎手招待レースにJRA代表で参加。

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