【高松宮記念追い切り】春のGI戦線が開幕!有力馬の状態はいかに!?

2020年03月25日(水) 18:00

この調教時計で結果がでなければ中京は向いていない

 ドバイワールドカップデーの中止は残念ですが、日本国内ではGI、高松宮記念が行われます。土曜日には日経賞と毎日杯、日曜日にはマーチSと重賞は4つも行われる豪華な週。どのレースも馬券的に面白そうなだけに、今から予想してもいろいろと迷ってしまいそうです。

 特に高松宮記念は1週間、馬場がお休みになって、さらにBコースで行われるという状況。普通に考えれば、内が有利な馬場状態だと思いますが、週間天気予報では雨の可能性もありそう。あまり余計なことを考えなくてもよい馬場状態なら、今年の高松宮記念では狙ってみようと思う調教パターンがあるだけに、あまり雨の影響は受けてほしくありません。

【日経賞/モズベッロ】

 日経新春杯で強いレースを見せた後はすぐにここへの参戦を表明。中9週というローテーションでどんな調整をしてくるか注目していました。このローテーションは高雄特別を勝った時と同じなので、その比較でいくと追い切り本数は同じ。レースの2週前日曜日から時計を出し始めるというのも同じです。ただし、当時の1週前追い切りは坂路で4F51.3秒をマーク。本数が少なくても、1本の質は高い内容でした。

 今回の1週前追いは坂路で4F53.0秒。併せ馬で先着した動きからも、決して動けない状態ではないと思います。あとは最終追い切り。好走時は2F25秒を切るというパターンがありますが、今回は坂路2F25.1秒。4F目最速ラップだった点は評価できますが、2Fの脚という意味では好走時と少し違います。

モズベッロ

質の高い追い切りが出来ているモズベッロ(3月24日撮影)

【毎日杯/アルジャンナ】

 前走は単勝1.5倍の支持も3着に敗れてしまいました。その要因として、事前に予測していた仕上がり途上という部分が関係しているというのが私の個人的な解釈です。仕上がり途上の根拠は坂路オンリーでの調教内容。新馬、東スポ杯はいずれもCWを併用する調教内容でしたが、前走は坂路オンリーでの仕上げ。これがエンジンのかかりが鈍かったところに関係したような気がします。

 今回も坂路オンリーですが、前走よりもレース間隔が詰まっており、これに関しては前走よりは問題ないかも知れません。また、1週前追い切りでは坂路で2F25秒を切っています。終いの反応も前走以上。最終追い切りは坂路で2F25.1秒でしたが、4F52.0秒をマーク。このスピードある動きはいいと思います。

アルジャンナ

スピードある動きを見せるアルジャンナ(3月24日撮影)

【高松宮記念/ダノンスマッシュ】

 前走はトライアルという位置づけのレースでしたが、56キロで出走できるということもあり、陣営も勝ち負けを意識。それもあって、調教内容も1本の負荷がしっかりとかけられたものになっていました。それゆえに勝ったことが大きな収穫ですし、目一杯というところまでは仕上がっていませんから、本番へ向けて完璧なレースだったと思います。

 あとは中2週での調整過程。今回は1週前、最終追い切りともにCWで行われています。この意図については、安田隆行調教師へのインタビュー動画があるので、そちらで確認していただければと思います。私もその動きを見て、非常に落ち着きがあっていい雰囲気だと思いましたが、これまでとパターンが変わるのは間違いありません。この判断が難しいところです。

ダノンスマッシュ

調教パターンを変更してGI制覇に挑むダノンスマッシュ

【高松宮記念/モズアスコット】

 既報されているように、海外遠征の予定を変更しての参戦。芝のレースを使うという意味では同じですが、今回は距離が初めての1200m。これが心配という方もいるでしょうが、坂路での時計の出し方を見ていると、スピード対応にはさほど難しさを感じないというのが個人的な印象です。

 ただ問題は今回の状態。国内での目標変更ではなく、海外遠征を視野に入れた調整からの国内GI。追い切り本数としては、3月19日、3月22日と乗っていますが、ポイントは日曜日追い。たとえば根岸Sの時は休み明けでしたが、・・・

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井内利彰

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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