【私、頑固なので】日本での涙の訳「キャリアのなかで一番大きなレースだったから…」 M.ミシェル騎手の“強さ”/第3回

2020年03月30日(月) 18:02

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▲最終回のテーマは、日本を深く愛するようになった理由

1月27日から明日31日まで、NARの短期免許で騎乗中のM.ミシェル騎手。日本全国で“ミシェル・フィーバー”を巻き起こしました。その人気は、いまだとどまるところを知りません。

そんなミシェル騎手のロングインタビューも、今回が最終回。最後のテーマは「なぜ、ミシェル騎手がこんなに深く日本を愛するようになったのか?」。知られざる胸の内を明かします。

(取材・文=不破由妃子、写真=高橋正和)

ペリエ騎手の助言「日本は最高の国だから」

──日本の競馬に最初に興味を持ったのはいつ頃ですか?

ミシェル レースに乗り始めてすぐに興味を持ちました。というのも、世界中のジョッキーが日本で騎乗したいと思っていたからです。

 それで私も「日本の競馬の何がいいんだろう」と興味を持って、ネットでリサーチしたら、すぐに日本の良さがわかりました。日本には最高の馬がいて、最高のレースがたくさんある。あと、ファンの層が厚いというのも魅力のひとつですね。

──フランスからも多くのジョッキーが短期免許で乗りにきていますが、彼らから日本の競馬についてはどんなふうに聞いていましたか?

ミシェル オリビエ・ペリエ騎手がよく日本のことを話してくれたんですけど、とにかく日本は最高の国だからと。「日本に行けるのであれば、絶対にその機会を逃してはいけない。たくさん経験を積んでおいて」と言われました。

──昨年8月のワールドオールスタージョッキーズで初来日、初騎乗。第3戦で騎乗したスワーヴアラミスで初勝利を挙げましたが、レース後、勝った瞬間を振り返り、「涙をこらえるのに必死でした」とコメントされていましたね。その涙の訳とは?

ミシェル 私のキャリアのなかで一番大きなレースでしたし、ファンの方もたくさんいて、会場の雰囲気も素晴らしくて。とにかくすべてが最高に幸せな瞬間だったんです。世界のトップジョッキーの方たちとも戦えて、本当に最高の勝利でした。

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▲WASJのセレモニーでのミシェル騎手

──外から徐々にポジションを上げていく積極的な競馬も印象に残りました。

ミシェル 勝ちたかったんです。フランスでも日本でも、普段はあまりああいった競馬はしないんですが、あのときは自分でそういうオプションを選びました。慣れないことであっても、勝つためにはチャレンジが必要ですから。

──レース後、「この国に恋をしました」ともおっしゃっていましたね。具体的に日本のどこに惹かれたのですか?・・・

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