2020年04月01日(水) 18:02
▲学校時代の優等生が、デビューしてすぐにぶつかった壁とは (C)netkeiba.com
佑介騎手の同期、津村騎手との対談の第2回。川田将雅騎手、吉田隼人騎手らを擁する第20期生の中において、図抜けて上手かったという津村騎手。
デビューしたら、さぞ勝ち星を量産するかと思いきや…。「“あの津村”が勝っていない…」、同期からしたら信じられないことが起こりました。「上手いのに勝てないなぁ」、そんな周囲からの声が重くのしかかる日々。当時の苦悩を振り返ります。
(取材・構成=不破由妃子)
──自分の技術の高さを自覚していないのも津村さんのキャラということでしたが、デビュー前の模擬レースも2戦2勝、アイルランド大使賞も順当に受賞とあって、相当手応えを持ってデビューされたのでは?
津村 いや、違います。そこが僕に足りなかったところだと思うんですよ。馬乗りについても、「自分がこうするから馬がこうなる」とか、全然わかっていなかったし。
佑介 なんとなくできちゃってたんだろうな、全部が。
津村 そうそう。わからないまま、なんとなく乗ってた感じで。そんなんだから、思うように勝ち星を伸ばすこともできなかったし。
佑介 正直、デビューした年は津村のことを気にしている余裕もなかったし、自分のことで精一杯だったけど、2年目くらいからかな、勝てる馬に乗せてもらえるようになって、なんとなく競馬ってこうやって勝つんだなって勝ち方が見えてきたときに、津村の成績があまり伸びていないことが気になってきて。
俺たちのなかでは、“あの津村”があまり勝っていないなんて、信じられないことだったからね。競馬学校時代のことを思うと、考えられないことだった。てっきり一人でバーッと飛び出すと思ってたから。
津村 デビューした頃、藤岡と川田がけっこう勝ってたじゃん。「なんであんなに勝てるんだろうな」って思ってたよ。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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