【手塚貴久調教師】チャンスをモノに! 3本の矢で挑むオークスへの手応え

2020年05月17日(日) 18:01

今週のFace

手塚貴久調教師(C)netkeiba.com

今年すでに重賞3勝を挙げ、絶好調の手塚貴久厩舎(美浦)。インターミッション、ウインマリリン、マルターズディオサと3頭出しのオークス、そして素質馬ワーケアで臨む日本ダービーと、2週連続目が離せません。今回はオークス出走予定の3頭を中心に、ワーケアの現状、さらには春の天皇賞に見事優勝したフィエールマンの今後についてなど、詳しく語っていただきました。

(取材・文=佐々木祥恵)

※このインタビューは5/13(水)に電話取材で行いました。

「ウインマリリン、ノリちゃんが随分褒めてくれました」

――オークスに3頭出しということになりますが、3頭もとなると大変なこともありますか?

手塚貴久調教師(以下、手塚師) GI出走は嬉しいのですけど、3頭とも皆同じような気持ちで差をつけているわけではないですし、自然体でやっていますので大丈夫ですよ。

――3頭それぞれの特徴や持ち味を教えて頂きたいのですが、ウインマリリンからお願いします。

手塚師 元々函館に入厩させていて早くから使おうと思っていたのですが、外傷などいろいろあって12月のデビューになりました。夏に入厩していた時は線が細かったのですが、放牧で夏を越して秋に戻って来た時には随分大きくなっていましたし、馬も落ち着いていました。血統的なものなどいろいろな面を考慮すると、マイルよりも長い距離が良さそうなイメージを最初から持っていまして、12月の新馬戦も2000mの距離にしました。イメージ通りに2000mくらいの距離で結果を残してくれていますね。

――ということは、距離の延長も問題ないですね。

手塚師 そうですね。むしろ延びた方が良いでしょう。

――前走のフローラSはインの4番手で好位置からの競馬でしたね?

手塚師 操縦性が良いので、折り合いに苦労するという感じではないんです。だからジョッキーが思い描いた位置を取りやすいのだと思います。

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操縦性が良いというウインマリリン(撮影:下野雄規)

――フローラSから中3週となりますが、調整過程はいかがですか?

手塚師 順調ですよ。暖かくなってきて元気が出てきていますし、確かに中3週、中3週と間隔は詰まっているのですが、2走前のミモザ賞の時は放牧明けでまだピリッとしていませんでしたから、あのレースを使ってフローラSで良くなったというのもありますね。1週前追い切りはノリちゃん(横山典弘騎手)に乗ってもらったのですけど、良い感触だったようで、随分褒めてくれました。

――今回、フローラSで騎乗した横山武史騎手が騎乗停止になり、お父様の横山典弘騎手に乗り替わりとなりましたが?

手塚師 制裁が出てオーナーと電話で連絡を取り合いました。何人か候補も上がったのですが、大一番なのである程度経験が豊かなジョッキーの方が良いと思いまして、横山騎手が適任なのではないかということになりました。

――次にインターミッションはどのような馬でしょうか?

手塚師 ディープインパクトの子で小柄な馬ということもあり、牧場でもゆっくりという感じで仕上げていて、12月と遅めのデビューになりました。入厩した当初はあまり目立たなかったのですが、調教を積むにつれてヤル気が目覚めてきて、血統の良さが出てくるようになりました。新馬の時には1番人気に推されていましたし、距離もマイル前後で良いだろうなと思っていたのですが、競馬でもその通り勝ってくれました。

――これまですべてマイルのレースですが、2400mはいかがでしょう?

手塚師 これはマルターズディオサにも言えるのですが、桜花賞の時の馬場状態があまりにも悪くて、消化不良のレースになってしまいました。なのでオーナーと連絡を取り合ってもう1度大きな舞台に挑戦したいと…。NHKマイルCも考えましたが、お母さんを見ると血統的にも距離は持ちそうな感じもしますし、牝馬同士のオークスに行ってみようかという話になりました。

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もう1度大きな舞台に挑戦したいと…(撮影:下野雄規)

――続いてマルターズディオサは、どのような馬ですか?

手塚師 こちらは早い時期にデビューできました。初めから牧場の評価も高かったですし、入厩してからの動きも良かったので、新馬戦も結構自信があったのですけど、ウーマンズハートに完敗してしまいました。ただ2戦目で強い勝ち方をしてくれましたし、武豊騎手が乗って勝ったサフラン賞も非常に内容のあるレースで、これは一線級の馬だと感じましたので、GIの阪神JFに出走させました。2着でしたけど、こちらが思った通りに成長してくれたと感じました。

――チューリップ賞で重賞初制覇となりました。

手塚師 (レシステンシアに)正直・・・

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