【宝塚記念】あまりにも素晴らしいクロノジェネシスの6馬身差独走

2020年06月29日(月) 18:00

年間の古馬GI勝利数で牝馬が牡馬を上回ることがあるかもしれない

 良馬場に回復していた芝は、10R前の土砂降りで再び滑るような稍重(渋った馬場)になっていた。この急変が大きく明暗を分けたとはいえ、牝馬クロノジェネシス(父バゴ)の6馬身差独走はあまりにも素晴らしい。

 好スタートから、行きたい馬を行かせて2コーナーでは8-9番手の外。向こう正面に入ると、アップになった画面には、1頭だけすごい行きっぷりで早くも進出しようとするクロノジェネシスを、懸命になだめて進む北村友一騎手が馬群の外側に映った。

 この中間の馬体充実は伝えられていたが、キチッと仕上げた昨年のオークス時が432キロなので、今回の464キロは別馬のようなスケールアップだった。

 レース史上最大の6馬身差は、多くの馬が苦にした渋馬場をまったく苦にしなかった馬場適性と、本物になった4歳牝馬の充実のすごさだが、はやるクロノジェネシスをなだめて進み、慎重に内を避け、渋馬場の阪神内回りだからこそ決まる3コーナーからのまくり戦法を取った絶妙の騎乗によるところも大きい。

 その証拠に、2着キセキ(父ルーラーシップ)の武豊騎手も、クロノジェネシス(北村友一騎手)とまったく同じような進出策が成功している。

 これで4歳牝馬クロノジェネシスは、デビュー以来・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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