【ローズS】前で運んで折り合いもつける…川田騎手の“勝ち”への意識

2020年09月24日(木) 18:00

哲三の眼

ローズステークスを制した3番人気リアアメリア(提供:デイリースポーツ)

今年は中京競馬場で行われた秋華賞トライアル、GII・ローズステークスはリアアメリアが復活V。昨年のアルテミスステークス以来の勝利で、重賞2勝目を挙げました。現役時代、相手の馬のことも考えながら、自分の馬の癖を探していたという哲三氏。リアアメリアにはある癖を感じていたそうですが…今回の勝利は今後への期待を膨らませる内容だったと振り返りました。

(構成=赤見千尋)

2コーナーで「もう誰も手出し出来ないな」と

 中京競馬場で行われたローズステークスは、3番人気だったリアアメリアが好位から強い競馬で勝利しました。いろいろなところでさすが(川田)将雅君だなと感じる部分がありましたが、その中でもまず前につけようと思ったこと、ゲートをしっかり出したことがファインプレーだなと。

 この日は中京競馬場6階のラジオブースからライブで見ていたんですけど、ゲートをしっかり出したところで、「お!」と思ったし、1コーナーで前の馬を使って折り合いを付けようとせずに、リアアメリアの走りの持ち幅をしっかり確保してコーナーに入っていったところもさすがだなと感じました。

 もちろん馬の後ろで折り合いを付けるのも、『折り合いをつける』という方法の中で有効な作戦の一つではありますが、前に行く馬でその方法を選択すると、馬の走り自体が差し馬向きのセッティングになると僕は思っていて。せっかく前に行っているのだから、馬自身の完歩をのびのびと刻めるように走らせつつ、折り合いを付けるという、簡単なことではないですが、今回の将雅君の選択は素晴らしいと思います。

 さらに、外の藤井君の馬(アブレイズ)に若干併せていきながら、コーナーワークで自然に自分の馬が前に出るように持って行った。コーナーワークなので、相手が抑えると自然に前に出る形になっていて、・・・

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佐藤哲三

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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