2020年12月01日(火) 18:00
地方競馬ではここのところ素晴らしい記録達成が続いている(数字はすべて11月30日現在、地方競馬のみのもの)。
地方通算4000勝といえば、10月14日に愛知・岡部誠騎手が達成したばかり。岡部騎手が現役7人目、史上12人目、赤岡騎手は現役8人目、史上13人目の記録達成となった。
ご存知のとおり地方競馬は所属する競馬場や主催者ごとに、年間の開催日数をはじめさまざまに状況が異なるので同じ土俵で記録を比べるのは難しい。通算6000勝以上のトップ3は開催日数の多い南関東で、現役の的場文男騎手の7318勝を筆頭に、佐々木竹見騎手(引退)7151勝、石崎隆之騎手(引退)6269勝となっている。
それを考えれば、年間の開催日数が100日前後という高知競馬の所属で4000勝を超えた赤岡騎手の記録は驚異的というほかない。高知所属ではほかに3000勝を達成した騎手ですら西川敏弘騎手(3162勝、現役)しかいない。
赤岡騎手の今シーズンは、南関東での期間限定騎乗をしなかったこともあって(コロナの影響ではなく、当初からその予定だったとのこと)、11月30日現在で229勝は地方全国リーディングの3位。自身のキャリアハイは2009年の257勝で、あと1カ月でそれを超える可能性はある。今年ここまでの勝率35.1%、連対率53.4%というのも素晴らしい。今年地方競馬で勝率30%超、連対率50%超は赤岡騎手だけだからダントツの数字だ。ただ勝率、連対率に関しては、2010年にそれぞれ38.9%、57.4%という数字を残しているだけに、さすがにそれを上回るのは難しいかもしれない。
そして間もなく達成されそうなのが、日本の女性騎手による初めての年間100勝という記録だ。もちろん愛知の宮下瞳騎手で、11月30日現在で98勝。12月には地元名古屋だけで8日間の開催があるので、これはぜひ達成してほしいところ。また地方通算では現在911勝。通算1000勝という数字も見えてきた。ちなみに宮下騎手は韓国での56勝という成績もあり、これも含めると自身の通算1000勝はさらに近いところにある。
それにしても宮下騎手は、一度引退して2人のお子さんを出産し、復帰後に以前を上回る記録を残しているというのは“あっぱれ”と言うしかない。
騎手の通算勝利数の記録を的場文男騎手が更新し続けていることは知られるところだが、じつは地方競馬における調教師の通算勝利数の記録も現在、更新され続けている。
昨年末には、高知の雑賀正光調教師が3488勝でトップを走っていたが、今年に入って愛知の角田輝也調教師が逆転。11月30日現在で、角田調教師3612勝、雑賀調教師3598勝となっている。地方競馬の調教師で通算3000勝超は、ほかに高知の松木啓助調教師(3121勝、現役)と、益田の田原義友調教師(3015勝、引退)がいるだけ。これも素晴らしい記録であることは間違いない。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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