2020年12月02日(水) 18:02
▲「JRA生え抜き組vs地方移籍組」、小牧騎手が当時の空気を明かす (C)netkeiba.com
小牧騎手が中央に移籍した2004年当時は、「JRA生え抜き組vs地方移籍組」の構図が激化。今の「外国人ジョッキーばかりにいい馬が集まって…」と同じように、「地方ジョッキーばかりにいい馬が集まって…」と言われていました。それと同時にささやかれていたのが、「地方ジョッキーは怖い」という噂。小牧騎手が、アンカツさんの怖かったエピソードを明かします。
(取材・構成=不破由妃子)
──2003年の安藤勝己さんを皮切りに、地方のトップジョッキーたちが続々と中央に移籍。小牧さんが移籍し、佑介さんがデビューした2004年当時といえば、生え抜き組対移籍組の構図が激化していた頃ですよね。
佑介 まさにその最中でしたね。それこそ、近年の外国人ジョッキー対中央のジョッキーみたいな感じでした。中央のジョッキーが地方のジョッキーの追い方を試しだしたのもあの頃で、僕らは若かったからこだわりもそれほどなくて、あの追い方がいいならちょっとやってみようかみたいな感じで。
──移籍組、スポット参戦組も含め、「地方ジョッキーばかりにいい馬が集まって…」みたいな空気はやはりあった?
佑介 僕らはデビューしたばかりだったから、そんな空気を感じる余裕もなく(笑)。もっと上の先輩たちのなかには、そう感じていた人もいたでしょうけどね。
小牧 いたと思うし、(そういう空気を)感じたこともあるよ。実際、移籍する前からいい馬に乗せてもらっていたからね。だから、『太論』宛に「外国人ジョッキーにばかりいい馬が集まることをどう思っていますか?」みたいな質問がきても、俺は何も言えんのよ。当時は同じ立場だったから。
佑介 まぁそういう空気とか以前に、小牧さんと僕は一緒にデビューしたわけですから。しかも、当時からみんな優しかったし。あとで地方の若いジョッキーたちに聞いたら、「地方にいた頃は、みんなめっちゃ怖かった」って言っていたけど(笑)、僕からしたら、地方から来た人はみんな優しかったから、「ホントに怖かったの!?」って信じられなかったくらいで。
小牧 安藤さんは怖かったよ(苦笑)。園田にクイーンカップっていうレースがあって、安藤さんがグリグリの本命馬と一緒に笠松から乗りにきたんやけど、俺の馬がゲートのなかで暴れたもんやから、厩務員さんがなかなかゲートから出られへんかってん。
で、係員が「早く出ろよー!」って大きな声を出したら、その声に安藤さんの馬が反応して暴れたんやね。レースの後、「厩務員を出さんかったのは誰や!」って怒鳴っていて…。
佑介 こわ…(苦笑)。
小牧 俺、あんまりにも怖かったから、コソコソ隠れとったわ(笑)。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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