先日、朝起きてベッドから片足を下ろしたら目眩がして、立っていられなくなった。こりゃマズいともうひと眠りしたのだが、相変わらずクラクラするので、近くの耳鼻科の「めまい外来」で診てもらった。

　両足を揃えて1分間目を開けて立ったあと、目を閉じて立ち、次に踵だけ付けて同じことをする検査や、ピーと音がしたらボタンを押す聴力検査、額と首と鎖骨の真ん中あたりに電極を付けて行う検査 (何の検査だったか忘れてしまった)をし、さらにゴーグルのようなものを装着して寝たり起きたりして目の動きを調べてもらうなどした。

　その結果、重心動揺検査ではロンベルグ・陽性、ラバー検査・異常あり(Ab)、頭位・頭位変換眼振検査・眼振なし、耳石器機能検査・異常なし、聴力検査・異常あり(右高音軽度低下)で、「良性発作性頭位めまい症疑い」という診断だった。

　そこは、去年の7月、耳鳴りの検査をしてもらったクリニックだった。

　目眩はさほど心配ないが、今もつづいている耳鳴りが気になるので、一度大きな病院で検査したほうがいいだろう、と医師が紹介状を書いてくれて、翌日、大学病院で同じような検査と診察を受けてきた。

　大学病院の医師によると、目眩も耳鳴りも、よくある症状で、深刻ではないとのこと。その医師も、紹介状を書いてくれたクリニックの医師と同じく、近い部位の問題とはいえ、目眩と耳鳴りは別々に考えていいという見立てだった。耳鳴りを消す治療はないので、効くかどうかわからないが、と漢方薬を処方してくれた。

　これでお終いではなく、クリニックの医師が私にMRIを受けさせるようリクエストしていたので、3月初めに同じ大学病院で検査することになった。

　最初に診てくれたクリニックの医師は、曜日によっては東大病院でも診ている女医さんである。その先生によると、補聴器で今聴こえていない音を聴こえるようにすると耳鳴りも消えるのだという。因果関係が逆のような気もするが、確かに、ほかの人には聴こえている電子体温計のピピッという音に私だけ気づかないなど、聴こえ方に問題があることは確かなので、耳鳴りがどうにもならないほど大きくなったら考えようと思う。

　最悪、検査して即入院となる可能性もあると思っていたので、本稿の〆切を少し延ばしてもらった。病室で書いたほうがカッコよかったのだろうが、いつもどおり、都内の仕事場で書いている。

　さて、先週、JRA最少馬体重勝利記録を持つメロディーレーンが、重馬場の小倉芝2600メートルで行われた海の中道特別を勝ち、通算3勝目をマークした。

　2019年6月に340キロで未勝利を勝って47年ぶりにJRA最少馬体重勝利記録を塗り替え、3カ月後、338キロで1勝クラスを勝って自身の記録を更新した。先週勝ったときは346キロ。これでもデビュー以来最高の馬体重であった。

　パドックで騎手を背にして歩く時間も短くしたほうがいいのではないかと思うほど華奢なのに、とにかく一生懸命走る。あの小さな体のどこにこれほどのパワーとスタミナを秘めているのかと、レースを見るたびに驚かされる。

　2019年の菊花賞に参戦するというだけで話題となり、12番人気ながら5着と健闘して、さらに注目された。そして今年は、昨年につづき、天皇賞・春への出走を目指しているという。

　生産者の岡田スタッド代表で、この馬を所有する岡田牧雄さんに、先日、初めてじっくり話を聞く機会があった。

　とても話の面白い人で、1時間ほどで取材をまとめるつもりだったのが、気がついたら倍ほどになっていた。

　その取材のテーマの都合で、残念ながらメロディーレーンについて話を聞くことはできなかったが、チャンスがあれば、育成時代のことも含めて、いろいろ聞いてみたい。

　相変わらず耳鳴りがしている。漢方薬を出してもらった処方箋薬局は初めて行ったところだったので、治療歴や服用中の薬などについてアンケートを書かされた。薬の欄に、塗り薬も書くようにとあったので「リアップ(発毛剤)」と記したのだが、薬剤師さんはそこに何のリアクションも示さなかった。

　耳鳴りの要因となり得るものに、ストレスのほか、低気圧もあるという。

　消せないものの原因が今わかったからといってどうにもできないのだが、せめて、それらに起因するほかの病気に気をつけたい。

　寒い日がつづきそうなので、読者のみなさまも、ご自愛くださいませ。