【日本ダービー予想】例年に比べて中団からの差しが利く馬場

2021年05月29日(土) 19:00

毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 いよいよ、ダービーですね。東京の芝コースは今週からCコースに変更。オークス週までBコース、ダービー週からCコースの運用法は、ロジユニヴァースが優勝した2009年以降は同じで定着しています。先週までは内3m地点に設置された内柵が、さらに3m外に変更になっています。

 例年だと、先週までに傷んだ内寄りの傷みが柵移動でカバーされて内有利になることが多いですが、今年は少々異なる印象。もともと今春の東京開催はAコース使用の開幕週から内粘りも利けば、展開次第で中〜外の差しも届いていました。

 Aコースで行われたNHKマイルカップ(9日、芝1600m)で9番手から伸びて優勝したシュネルマイスターや、Bコースで行われた先週のオークス(23日、芝2400m)を制したユーバーレーベンも道中10〜12番手から、外をよく伸びていました。今週からCコースに替わりましたが、レース傾向はあまり変動がなく、中〜外を通る馬が台頭していたのが土曜の傾向でした。

 土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「8番手、3番手、7番手、6番手、10番手」。個人的には、前&内を通った馬がかなり苦戦した印象。

 参考までに昨年も一昨年もダービー前日の土曜は、芝競走は5鞍。昨年2020年土曜の勝ち馬の4コーナー位置は「11番手、7番手、13番手、1番手、7番手」。19年土曜は「1番手、5番手、2番手、5番手、2番手」。ロジャーバローズが道中2番手から早め先頭で押し切った19年は内&前有利。差しが利くという点では、コントレイルが勝った昨年に近い状況かも。

 ダービーの参考になるという意味では、同じ2400mの土曜7R・3歳1勝クラスを取り上げます。レース前半5F61秒1〜同後半5F59秒0のSペース。勝った1番人気グレアリングアイは最終4コーナー6番手から馬群の真ん中をさばいて一気。2着ヒシシュシュ、3着グローリアスサルムも道中後方から外伸び。

 青葉賞7着時に2分25秒5を記録したグレアリングアイは、持ち時計を2秒近く短縮して勝ち時計は2分23秒8。土曜の高温で急速に乾いたこともあり、前3週同様に高速馬場の様相。日曜の府中市も好天予報で、予想最高気温は26〜27度と高め。展開次第ではロジャーバローズが優勝した時の「2分22秒6」の超高速決着が出る可能性も十分。ただ、2年前と違うのは中〜外が伸びている点。

 過去5年のダービー優勝馬の最終4コーナーの位置は「8番手、2番手、4番手、2番手、4番手」と前有利ですが、今年は1〜2列後ろでも届くかもしれません。

 内絶対ではない点では、中〜外からの差しになりそうな紅一点サトノレイナスは持ち時計もあるだけに絶好の舞台設定。前日の雨が残って前&内有利でパワー馬場だった皐月賞とは真逆の舞台で、皐月賞の結果はもう一度精査する必要があるかもしれません。

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小田哲也

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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