2021年07月15日(木) 18:03
▲「文字通り、あとがない」この時期の3歳未勝利戦にかける思いとは (撮影:福井麻衣子)
今週のテーマは直近の話題をお届けする「月刊 川田将雅」。あと1カ月半で番組が終わってしまう“3歳未勝利戦”。未勝利馬にとっては瀬戸際も瀬戸際で、普段以上に“1着”を求められる騎手たちの緊張も計り知れないですが、この時期の未勝利戦で勝率が大きく跳ね上がるのが川田騎手。この数字に裏付けられた、プロとしての覚悟に迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
──あと1カ月半で3歳未勝利戦が終わります。「この時期の3歳未勝利戦の1番人気は、すごく緊張する」と話すジョッキーもいるくらい、未勝利馬にとっては瀬戸際も瀬戸際なわけですが、やはり川田さんも特別な意識がありますか?
川田 もちろんです。稀にローカルの1勝クラスを使いにいく未勝利馬もいますけど、それはあくまで特殊な事例。基本的には、ここで勝ち上がらないとJRAには残れない。文字通り、あとがないわけで、普段以上に強い責任感を持って臨んでいます。
──川田さんの成績を見ると、6月以降の3歳未勝利戦の勝率は52.9%(7月4日終了時点)。1月から5月までが同27.4%ですから、ここにきていかに1着を求められる依頼が増えているか、数字上でも明らかです。
川田 52.9%…、まさかそんな数字が出ているとは(笑)。でも、この時期の3歳未勝利は、それくらい勝つことにこだわっているのは事実です。仮に2着に負けてしまったとして、次も同じような走りができるかとなると、そうはいかない。2着にはきたけれど、次は状態がもたずに走れないことも大いにあり得ます。むしろ、そういう馬のほうが多いんですよ。
最後の最後なので、なんとか勝たせるべく、無理して使っている馬もたくさんいるんです。「今回は負けてしまったけど、次は勝てるだろう」と思えるフレッシュな状態の馬は、ほぼいないのが現実です。
──まさに、“その一戦”が勝負ということ。・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
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