良血馬揃いのタタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1が発表

2021年08月18日(水) 12:00

ガイヤースの半弟など良血のキングマン産駒には世界中から熱い視線

 10月5日から7日まで、英国のニューマーケットで開催される「タタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1」の上場馬が発表された。

 欧州最高の品揃えを誇る市場だけに、出身馬は今年も世界各国で大活躍を見せている。

 お膝元のヨーロッパでは、仏国3歳2冠に加えてG1エクリプスSを制し、世界ランキング首位に立つセントマークスバシリカ(牡3、父シユーニ)が、19年の当セールにて130万ギニーで購買された馬である。残念ながら同馬は、出走を予定していた日本時間今夜のG1インターナショナルSを外傷のため回避することになったが、秋には戦線に戻れる予定で、昨年秋から継続中のG1連勝記録をどこまで伸ばせるかが注目されている。

 同じ19年の当セールにて20万ギニーで購買されているのが、G1愛ダービー、G1パリ大賞を連勝したハリケーンレーン(牡3、父フランケル)だ。あるいは、ロイヤルアスコットのG1コモンウェルスCを制したカンパネッレ(牝3、父コーディアック)も、19年の当セールにて19万ギニーで購買されている馬である。

 古馬勢では、G1ロッキンジS、G1クイーンアンSに続き、15日のG1ジャックルマロワ賞を制し、マイルG1・3連勝を達成したパレスピーア(牡4、父キングマン)が、18年の当セールにて60万ギニーで購買された馬だ。

 活躍馬は北米でも生まれており、昨年11月のG1ハリウッドダービー、今年5月のG1ターフクラシックS、今年6月のG1マンハッタンSを3連勝した後、14日のG1ミスターディーSが2着惜敗だったドメスティックスペンディング(セン4、父キングマン)が、18年の当セールにて30万ギニーで購買された馬である。

 そして日本では、GIII鳴尾記念を制し、GI宝塚記念で2着となったユニコーンライオン(牡5、父ノーネイネヴァー)が、17年の当セールにて85万ギニーで購買されている。

 今年のオクトーバー・ブック1には、502頭が上場を予定。母もしくは兄・姉がG1勝ち馬という上場馬が62頭もスタンバイしているという、超豪華なラインナップとなっている。

 種牡馬別でみると、最大勢力は44頭の産駒が上場されるロペドヴェガで、これに次ぐのが、43頭の産駒が上場されるキングマンだ。日本でも、GI・NHKマイル勝ち馬シュネルマイスターや、GIIチューリップ賞を制したエリザベスタワーを送り出したキングマンの産駒は、日本の関係者やファンにとっても注目の存在となるはずだ。

 中でも、20年の欧州年度代表馬ガイヤースの半弟にあたる上場番号178番の牡馬(父キングマン)、G1英千ギニーなど4つのG1を制したスカイランタンの4番仔で、今年のG1ファルマスS勝ち馬スノウランタンの半弟にあたる上場番号274番の牡馬(父キングマン)、G1凱旋門賞など5つのG1を制したデインドリームの7番仔となる上場番号475番の牝馬(父キングマン)らは、世界から集まるバイヤーたちの熱い視線を浴びることになりそうだ。

 日本でも既に3頭のG1勝ち馬を送り出している怪物フランケルの産駒は、24頭が上場予定だ。8月15日の段階で、昨年まで11年連続リーディングのガリレオを2位に退け、英愛リーディングサイヤーランキングの首位に立つのがフランケルだけに、ここでも激しい争奪戦が展開されそうである。

 フランケル産駒の中で目玉商品になりそうなのが、19年の欧州チャンピオンスプリンター・ブルーポイントの半弟にあたる上場番号257番の牡馬(父フランケル)で、ミリオン越えが確実視されている。ユニコーンライオンの父ノーネイネヴァーの産駒は、22頭がスタンバイ。G1ジュライCなど2つのG1を制したテンソヴリンズの全弟にあたる上場番号262番の牡馬(父ノーネイネヴァー)や、今年のG1ベルモントダービー勝ち馬ボリショイバレエの半妹にあたる上場番号369番の牝馬(父ノーネイネヴァー)など、ノーネイネヴァー産駒はなかなかの良血揃いである。

 このほか、凱旋門賞など4つのG1を制したヴァルトガイストの半妹にあたる上場番号336番の牝馬(父ドバウィ)、先ごろ引退した20年の欧州チャンピオンスプリンター・バターシュの全弟となる上場番号379番の牡馬(父ダークエンジェル)、マイルG1・5勝の現役馬パレスピーアの半弟にあたる上場番号405番の牡馬(父アルマンゾル)など、世界のホースマンにとって垂涎の的となる良血馬の上場が予定されている。

 また、この世代が初年度産駒となる新種牡馬も、18年の欧州年度代表馬で、この1世代だけを残して早世したロアリングライオンの産駒が10頭、17年の欧州チャンピオンスプリンター・ハリーエンジェルの産駒が3頭、日本産馬として初の英国クラシック制覇を果たしたサクソンウォリアーの産駒が8頭、17年の欧州3歳牡馬チャンピオン・クラックスマンの産駒が6頭など、期待の膨らむラインナップとなっている。北半球各国の1歳馬マーケットは、ここまで堅調に推移しているが、その大トリとも言えるタタソールズ・オクトーバー・ブック1がどんなマーケットになるか、おおいに注目したいと思っている。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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