2022年01月15日(土) 12:00
強気の格上挑戦で、近年出世レースとして名高いシンザン記念を勝ったマテンロウオリオンは、春の目標がはっきり見えてきた。ダイワメジャー産駒で器用さが目を引いたが、NHKマイルCへの挑戦となるのだろうか。
一方のフェアリーSも新星登場で、勝ったライラックは驚きの逆転劇を繰り広げた。出負けして最後方からのロングスパートで15頭をまとめて豪快に倒したレースぶりは、クラシックへ花開かせるものだった。
父オルフェーヴルの破壊力を見る思いで、小柄な牝馬でもしっかりしたハートを持っている。目標に向かって一歩ふみ出す明け3歳馬の重賞は、まだ完成手前であっても、そこから可能性を読み取る面白さがある。
そして今週は、京成杯。中山内回りの2000米であれば、ここから一気に皐月賞と気負ってみたくなるが、寒中のこの時期、まだまだ早すぎる。
昨年の勝ち馬グラティアスは久しぶりに三冠レースに出走していて、皐月賞6着、ダービー8着、菊花賞15着だったが、ハーツクライ産駒で、京成杯は前年10月の東京の新馬2000米を勝ってわずか2戦目だった。それでも一番人気だったので、どれほど期待されていたかが分かる、
京成杯をキャリア一戦で勝ったのは、2019年のラストドラフトが最初で、以後3年連続してこのケースは続いてきた。ラストドラフトの父は、英G1Kジョージを勝ったノヴェリスト、その翌年勝ったクリスタルブラックは父はキズナ、そしてグラティアスと続いたのだが、どれも1800米から2000米の新馬戦を勝っていた。
この傾向は、キャリア一戦のみでなくとも、はっきりしている。3戦目、4戦目であっても、中距離で好成績を残したもの、血統もそれに見合うものとなっているので、この京成杯はそれほど大きな波乱にはなっていない。
5年前、7年ぶりに一番人気で勝ったコマノインパルスは、2000米を2戦1勝、2着1回で3戦目、父は凱旋門賞馬のバゴ。4年前にやはり一番人気で勝ったジェネラーレウーノは、3戦して2000米で2勝し、父がジャパンCを勝ったスクリーンヒーロー、ここを担ってきたのも頷ける。
こうした条件の中、冬場のタフな馬場となれば、それ相応の勝ち馬になるのも当然といえば当然で、この先皐月賞には出走してもそれからは馬自身の成長如何だ。
今年のメンバーでは、これまで2頭の優勝馬を生んでいるハービンジャー産駒、アライバルとロジハービンが目を引く。英G1Kジョージ(12ハロン)を11馬身差で勝っている父馬であれば、加速に時間がかかっても面白い。
ハーツクライの血を引くジャスタウェイ産駒のテンダンス、新種牡馬で長く脚を使えるキタサンブラックの産駒ヴェールランスなども条件にかなう馬の部類に入るだろう。
「戦線に 名のりを上げる 資格あり」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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