2022年02月09日(水) 18:02
▲岩田望来騎手が考える「海外遠征」とは(撮影:桂伸也)
海外遠征に対して、望来騎手はどんな考えを持っているのでしょうか? 今回はこの気になるテーマについて深堀りします。
(取材・構成=不破由妃子)
望来 佑介さん、以前長期で海外に行かれたじゃないですか。僕、中学生のとき、本当に勉強をサボっていたので、今でも英語が苦手で…。一から少しずつ勉強してはいるんですけど、佑介さんはどのレベルまで喋れる準備をして行ったんですか?
佑介 フランスに行ったときは、ゼロに等しい状態で行ったよ。知っていたフランス語は、ホントにボンジュールとメルシーだけっていうくらい(笑)。向こうに着いたら、めちゃくちゃデカい空港でさ。喋れないし、読めないから、出口がわからなくて彷徨った(笑)。
望来 行ってから覚えたという感じですか?
佑介 俺の場合はそうだったけど、ある程度喋れる状態で行ったほうが、絶対に遠征自体の内容が濃くなる。言葉の準備もそうだけど、競馬に乗り始める前に、生活基盤を整える準備期間を設けたほうがいいと思うよ。
たとえば半年間の遠征だとして、すべてゼロの状態で行くと、最初の3カ月くらいは無駄になってしまう。バタバタしている間にどんどん時間が過ぎていって、生活にも言葉にも慣れてきたなぁと思ったくらいで帰らなアカンくなるから。
▲佑介騎手自身「ゼロ」の状態から海外を経験した(撮影:桂伸也)
──仕事に集中するためにも、まずは環境を整えることが大事だと。
佑介 自分で行ってみてそう思いましたね。まったく違う環境で生活するわけですから、まずはその基盤が整ってないと仕事に集中できない。時間を無駄にしないためにも、1カ月でも1週間でもいいから、生活基盤を整えるための準備期間をあらかじめ用意する。そうすることで切り替えもできるし、結果的に遠征期間を無駄にせずに済むと思います。
言葉の準備について聞いてくるということは、やっぱり望来も海外に行くことを考えてるということ? ・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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