これまでのダイワメジャー産駒とひと味違う馬体と気性 アドマイヤマーズ/POGマル秘週報

東京スポーツ

2018年11月07日(水) 18:00

デイリー杯2歳Sに出走予定のアドマイヤマーズ(c)netkeiba.com

 GI初制覇はアドマイヤジュピタの2008年天皇賞・春、さらにマカヒキワグネリアン日本ダービーを2勝している友道厩舎。そのイメージは芝の長距離戦で抜群の勝負強さを発揮する――。だからこそ、アドマイヤマーズという馬の登場には違和感を覚えた。何に対して? 決まっている。父がダイワメジャーだったことに対してだ。

 調教師自身が芝の中長距離戦志向を明言しているため、管理馬も必然的にそのようなタイプの馬が多い。ゆえに主戦場がマイル前後のダイワメジャー産駒が、友道厩舎に入厩してくる機会は非常に少なかった。

 実際、「友道厩舎のダイワメジャー産駒といえば?」と振られても、馬名がとっさに浮かばない。それはスタッフも似たようなもので、某助手が「アドマイヤメジャーがそうだったような気がする」と誤認(実際はアグネスタキオン産駒で、その弟のアドマイヤレイダイワメジャー産駒)するレベルなのだから、その認知度の低さがわかってもらえるだろう。

 ちなみに日曜(4日)京都の新馬戦(芝内1600メートル(牝))を制したサヴォワールエメが、開業16年目でようやく7頭目のダイワメジャー産駒。つまり、記者の感覚はおおむね間違っていなかったわけ。良かった、ホッとした。

 さて、本題はここからだ。ほとんど縁のなかったダイワメジャー産駒アドマイヤマーズが、厩舎の新たなエース候補として登場した理由は何か? もしかして厩舎の方針転換? もちろん、そんなはずもなく、友道調教師によると「初めて馬を見たとき、ダイワメジャーという認識が全くなかったんだよね。セレクトで買った馬なんだけど、単純に“いいな”って思った。で、血統を確認してみたら“あ、ダイワメジャーなんだ”って。そんな感じ」。

 ダイワメジャーっぽくない胴が伸びた馬体とそこまで激しくない気性。あくまで馬本位で選んだ結果、たまたまダイワメジャー産駒だった――というのが真相で、それは友道調教師自身が好んできた中長距離系の馬体ということを意味する。世間一般がイメージするダイワメジャー産駒とは少し違う馬――。その可能性は大いにあるだろう。

 実際、トレーナーのニュアンスもそれに近い。土曜(10日)のGIIデイリー杯2歳S(京都芝外1600メートル)を使い、その後は12/16朝日杯FSの年内2走で終了までは決まっており、そのどちらもマイル戦。真価が問われるのは中距離に挑戦することになりそうな来年だ。中長距離で結果を残すトレーナーは「折り合いがつかない馬ではないので、皐月賞の2000メートルは問題ないと思う。ダービーの2400メートルはさすがにどうか…という気もするけど、よくよく振り返れば、ダイワメジャー自身は有馬記念で3着(06、07年)に走っているんだよね」とかなりポジティブだ。

 ジャパンCやコロネーションCなど、2000メートル以上の大レースを勝ちまくったシングスピールの名もある母系。もしかしたら、こちらの影響が出ているのかもしれないが、いずれにしろ、次の大舞台に進むためには重賞タイトルの獲得が必須。まずはダイワメジャー産駒の得意とするマイル戦で“モノの違い”を見せてほしいところ。

「完成度の高い馬と思っていたけど、今回の休養で体も増えているし、さらに成長したようにも感じるんだよね。初めての右回りにはなるけど、口向きに問題がある馬ではないし、コース替わりも問題にならないはず」なら、3連勝でGIのステージへと向かってくれるはず。今週末を楽しみに待ちたい。

(松浪大樹)

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