【エ女王杯】リスグラシュー悲願の金 モレイラ日本G1初制覇

デイリースポーツ

2018年11月12日(月) 06:00

 エリザベス女王杯を制したリスグラシュー(右)

 「エリザベス女王杯・G1」(11日、京都)

 ついに、ついにこの日がやってきた。3番人気のリスグラシューが直線で末脚を伸ばし、逃げ粘るクロコスミアを首差とらえてV。4度の銀メダルという悔しさを乗り越え、4歳の秋、G1・8度目の挑戦でつかんだ金メダルだ。この日、JRA通算100勝を達成したモレイラにとっても、初コンビで待望のJRA・G1初タイトルをゲットした。

 “雷神”と呼ばれる男の魂が、真っ赤な炎となってゴールに突き刺さった。

 勝負を懸けた直線。逃げ粘る昨年の2着馬クロコスミアに、ただ1頭、外から襲い掛かったリスグラシュー。しっかりと目標を見据え、パートナーを信じて加速した先に、栄光のゴールが待っていた。右のこぶしを何度も握り締め、沸き上がる歓声とシンクロしていく鞍上のモレイラ。心の叫びを、止めることができない。6度目のチャレンジ。初めてつかんだ日本でのG1タイトルは、名手の胸を激しく揺さぶった。

 託された手綱。モレイラには勝利で応えたい理由があった。「日本でG1を勝つことが夢でした。私が若いうちに父が亡くなったので、少ししか時間を過ごすことはできなかったのですが、いつも家族のために頑張ってくれていたことを覚えています。ここ数日、私も家族のことを考える機会があって、父のことを思い出しました。父のためにも勝つことができて、本当にうれしく思います」と、一気に胸の奥に秘めていたものを明かした。

 母国ブラジルでの幼い頃の記憶。それが勇気の源なのだ。この日の8Rでスタート直後に落馬。腰のあたりを強打して担架で運ばれたが、続く9Rをキャンセルすることなく騎乗すると、史上最少騎乗数でのJRA通算100勝を達成。日本での通年免許取得は持ち越しとなったものの、“決して諦めない”というスタンスは貫き通した。「いいスタートが切れて、直線でもエネルギーがあった。反応も良く、能力を出すことができて本当に良かった」とG1初制覇まで突っ走った。

 「ゲートを最高に出してくれて、折り合い、位置取りも完璧でした」と騎乗ぶりをたたえた矢作師は、「これまで悔しい思い(G1・2着4回)をしてきたスタッフの努力の結晶です」と、8度目の挑戦でついに重い扉をこじ開けた愛馬とチームをねぎらった。

 G1馬となって迎える次なるターゲットは「香港(12月9日・シャティン)か有馬記念(12月23日・中山)に」と指揮官は明言。ついにつかんだビッグタイトルを誇りに、さらなる高みへ突き進む。

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す