【有馬記念】ディープインパクト敗れる! ハーツクライが先行策でGI初勝利/平成有馬記念列伝(2005年)

2018年12月21日(金) 12:10

ルメール騎手騎乗のハーツクライが先行策でディープインパクトを破った(撮影:下野雄規)

 注目は史上6頭目となる牡馬三冠を無敗で達成したディープインパクトの古馬との初対決。ファン投票で16万297票を集め、その「飛ぶ走り」を一目見ようと、中山競馬場には16万人を超える大観衆が詰め掛けた。

 ディープインパクトの単勝オッズは1.3倍。古馬初対戦、直線の短い中山コースであっても、その勝利を疑う者はほとんどいなかった。

 2番人気はゼンノロブロイ。前年の秋戦線を完全制圧した馬だ。この秋も天皇賞(秋)を2着、ジャパンカップを3着と安定した走りをみせていた。鞍上はケント・デザーモ。離れた3番人気で、有馬記念三連覇中のペリエが駆るデルタブルースが続く。

 オースミハルカが外からポンと出るも、内からじわりとタップダンスシチーがハナを奪う。3番手にコスモバルクが続き、その直後につけたのが4番人気のハーツクライ。ダービー、宝塚記念ジャパンカップといずれも後方一気で2着に健闘していたハーツクライの先行策に、場内はどよめきに包まれる。

 ゼンノロブロイは中団、そしてディープインパクトは悠々と後方からポジションを上げていく。

 タップダンスシチーに往年の力はなく、4角入り口で早々と後退。ディープインパクトが外から手応え良く6番手に上がって直線コースへ向く。一歩先に抜け出したハーツクライをめがけて、外から襲い掛かるディープインパクト。しかし、2馬身の差がなかなか縮まらない。最後は半馬身リードを守りハーツクライが栄光のゴールへと飛び込んだ。ルメール騎手の左手が高々と上がる。

 ディープインパクト、初黒星。

 武豊はレース後にこう振り返った。

「今日は飛ばなかった」

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