ダノンキングリー 皐月賞3着からの頂点なるか/POGマル秘週報

東京スポーツ

2019年05月22日(水) 18:05

持ち前のスピードと成長力次第で逆転も十分に考えられる(撮影:下野雄規)

 “ダービーからダービーへ”のコンセプトが根底にある当連載も、いよいよ最終決戦。日本ダービーが間近に迫ってきた。

 無敗のままホープフルS皐月賞の両GIを突破したサートゥルナーリア「1強」とみるか、あるいは皐月賞で僅差の2、3着だったヴェロックスダノンキングリーまでを含めた「3強」か。

 いずれにせよ“強い皐月賞組”が順調に駒を進めてきた今年は、別路線組がかすんでしまい、皐月賞上位3頭と、それ以外ではオッズ的にも大きな開きが出そう。穴党には厄介かもしれないが、半面“令和最初の――”という冠にふさわしい名勝負が生まれそうな予感が…

 美浦担当の記者としては、ちょっとひいき目に、皐月賞3着馬ダノンキングリーの逆転の可能性を探ってみたい。

 これまでの戦績から改めて強調材料を示していくと、皐月賞サートゥルナーリアとの無敗馬対決に敗れたとはいえ、着差はわずかにアタマ+ハナ。次走でNHKマイルCを快勝する2歳王者アドマイヤマーズ(4着)には共同通信杯より、さらに差を広げる2馬身差をつけた。

 何より直線は上位2頭が馬場の外めで併せ馬の形になったのに対して、こちらは内に進路を取ってのもの。

 前日から中山で行われた芝のレースはやたらと内を通った先行馬が伸びあぐね、外差しが目立っていたことを考えると、仮に上位2頭と併せ馬の形になっていれば、どうだったか…その思いはダノンキングリーの単勝馬券を握り締めていたファンなら少なからず持ったに違いない。

 もう一点、強調できるのは一戦ごとの進境度。実はデビュー以来、1番人気に支持されたことが一度もない。それは試金石的な挑戦が多かったからなのだが、相手関係が上がっていくのに比例するようにパフォーマンスを上げ続けてきた。

 この馬の成長曲線、すなわち“進化の度合い”は一流馬にふさわしいレベルにあるのではないか。では主戦の戸崎圭の思いは?

「(2400メートルの)距離はベストではないかもしれないけど、能力の高さでカバーしてもらいたい。皐月賞では負けたといっても(2頭とは)それほど差はなかったし、立ち回りひとつで(結果も違った)って感じはありましたからね。(直線で内に進路を取ったのは)外に出せないなかで、精一杯やっての結果。2頭は強いと感じたけどね。東京に替わるのはいいだろうし、何よりまだ成長段階。ダービーまでにどれだけ成長できるかが一番のポイントになるでしょう」

 そう、上位2頭との差は皐月賞からの短い期間の成長力で覆せる差だとみている。昨年、エポカドーロで2着したことで「それまで特別な意識はなかったんだけど、今までに見たことがない景色というか、“勝つと世界が違うんだろうな”って実感した。勝ちたい思いが強くなりましたね」と言葉を続けた戸崎圭はハッキリと勝利を意識している。

 一方で管理する萩原調教師はロジユニヴァースで“ダービートレーナー”の仲間入り。そこからちょうど10年目にして、再び出走機会を得た。

 短期放牧を挟んで、帰キュウしたのは今月8日。初時計は12日の坂路(4ハロン57・1秒)で、サートゥルナーリアヴェロックスの2頭がいずれも5日に初時計をマークしたのに比べ“のんびりした”調整にも映るが、これはダービーだからといって肩ヒジ張らない余裕とも受け取れる。

「前走の疲れは特に感じていないので大丈夫。ここ数戦と比べても気性面を含め一戦一戦良くなっているし、レース間隔が詰まることに関しても、特に影響はなく順調です。皐月賞がいい競馬。直線でいい脚を使って伸びてくれました。この馬の良さはスピードがあるところ。競馬に向けてキングリー自身のパフォーマンスを上げられるように持っていくだけなので、相手関係については特に気にしていません」

 逆転に必要なものは、やはり自身の成長。それは戸崎圭同様、皐月賞上位2頭との能力差を感じていないことの裏返しなのだろう。

(立川敬太)

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