映画「今日もどこかで馬は生まれる」が門真国際映画祭で大阪府知事賞を受賞

2020年08月21日(金) 20:34

門真国際映画祭運営事務局代表の奈須崇氏から表彰状を授与される平林健一監督(画像提供:Creem Pan)

 去る8月13日〜15日に開催された門真国際映画祭2020において、引退競走馬の現実を描いたドキュメンタリー映画「今日もどこかで馬は生まれる」が大阪府知事賞に選出され、先に発表されていたドキュメンタリー部門の優秀作品賞とのダブル受賞となった。

 受賞理由について門真国際映画祭運営事務局代表の奈須崇氏はこう記している。

「馬に感情があり、その感情が他の動物よりも深いからこそ、競走馬の引退後の余生を気にかける人々が多くいる。私達が見かける馬はどこか従順で、人からの命令に従い、何かの職務に就いている。それが馬です。ですが、それは決して馬ではなかったと御作は伝えてくれています。馬が広大な地で遊ぶ。人と遊ぶ。本来の馬は何かに従う生き物ではなく、人と同じく、のびのびと生きる生命であることを教えてくれるように思いました。

 屠殺場のシーンでは、実際に屠殺を映すことなく、その情景を観るものに想起させる名場面と感じました。のびのびと遊ぶ馬の姿と、無機質な屠殺場とが交互に視聴後の脳裏に浮かびました。

 馬が生まれる。生き物である。そういうあたり前のことに心を乱される素晴らしい作品でした」

 またこの映画の平林健一監督は、

「私はかねてから『映画普及を軸にした引退馬支援のムーヴメント創出』をスローガンに掲げ、それを達成するうえで『映画祭入選』を目標の1つとしてきましたので、今回の受賞は大変うれしく思っております。

『引退馬を支援していく上で、今、何が必要か?』とよく尋ねられることがありますが、そこへ向かう第1歩として『世論を集める』ということが、個人的には現状の最善ではないかと考えます。例えばこのnetkeiba.comの記事に対してリプライをしたりシェアをすることも、広義で見れば立派な引退馬支援ではないでしょうか。

 このような素晴らしい賞をいただいたことを追い風とし、今後よりこの作品を普及していくことで、引退馬支援に対する世の中の声を1つでも多く集めることができたのであれば本望です。最後になりますが、世界中が新型コロナウィルスに苦しむ中で、万全の態勢で映画祭を実行していただいたスタッフの方々に敬意を表すとともに、本作制作においてのクラウドファンディングでご支援いただいた方々、撮影にご協力いただいた方々、日頃応援していただいている関係者各位に対し深く御礼を申し上げます。このような素晴らしい賞をいただきまして感無量です。本当にありがとうございました」

 と、受賞した喜びを語った。

 なお本作は、新潟市の市民映画館シネ・ウインドで9月5日から2週間のロードショーが始まる予定で、11月には大阪・十三のシアターセブンでの上映も決定している(詳しい日程は未定)。

■Creem Pan 公式サイト
https://creempan.jp/index.html

■新潟市のシネ・ウインドでの上映情報
https://creempan.jp/uma-umareru/info/screening/20200804.html

(取材・文:佐々木祥恵)

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