【勝負の分かれ目 エプソムC】馬の操縦性を生かした石橋騎手の好騎乗でザダルが重賞初制覇

2021年06月13日(日) 17:50

石橋脩騎手に導かれ初の重賞タイトルを手にしたザダル(撮影:下野雄規)

 第10レースの前から雨が降りはじめたが、やがてそれもやみ、良馬場のコンディションのまま、出走馬18頭がゲートを飛び出した。

 エアアルマスがハナを切り、アトミックフォースセダブリランテスらがつづく。

 1番人気のアルジャンナは好位5、6番手の馬群のなか。石橋脩が乗る3番人気のザダルは、それを2馬身ほど前に見る中団馬群のなかで折り合いをつけている。

「操縦性の高い馬であることはわかっていましたし、リズムよく、最後は馬場のいいところに誘導できるように、コースのことを気にしながら乗りました」と石橋。

 1000m通過は58秒8。先頭から最後方まで10馬身ほどにかたまったまま3、4コーナーを回って行く。

 先頭のエアアルマスは、馬場の悪い内を3、4頭ぶんあけて4コーナーを回り、直線へ。

 馬群は横にひろがり、各馬の鞍上のアクションが大きくなる。

 ラスト400m手前で、ザダルの前方が綺麗にひらけた。

 石橋が手綱をしごくとザダルは鋭く反応し、内のヤシャマルと、さらに内にいたアルジャンナをかわし、それらの前にいたアトミックフォースの外に並びかける。

 ラスト200m地点でザダルアトミックフォースを抜き去り、内から迫ってきたサトノフラッグの追い上げをクビ差でしのいでフィニッシュ。見事、重賞初制覇を遂げた。

 昨秋の毎日王冠で5着に敗れて以来8カ月ぶりの実戦。馬体重のプラス12kgは成長ぶんだろう。

「ここ2週追い切りに乗せてもらいました。新馬のときから乗せてもらって、よくなっていく過程も知っていたので、そのころと遜色ない状態だったので、上手く乗れれば、と思っていました。ぼく自身も、また乗せてもらえるよう頑張ります」

 そう言って笑みを見せた石橋の、馬の能力と操縦性に対する信頼が、道中の我慢につながり、末脚を爆発させることができたのだろう。

 激戦区の古馬中距離戦線に、また楽しみな馬が現れた。

(文:島田明宏)

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