【エプソムC】トーセンラー産駒ザダル JRA重賞初V!5戦ぶり手綱の石橋脩が導いた

デイリースポーツ

2021年06月14日(月) 06:05

 外から豪脚を繰り出し突き抜けるザダル(中央)

 「エプソムC・G3」(13日、東京)

 3番人気のザダルが直線で鋭く抜け出して重賞初制覇。父トーセンラーに初タイトルをプレゼントした。2着に6番人気のサトノフラッグ、3着には2番人気のファルコニアが続き、1番人気に支持されたアルジャンナは見せ場なく10着に終わった。

 8カ月の休養を経て、ザダルが復活ののろしを上げた。直線入り口で外に持ち出すと鞍上のゴーサインで瞬時に加速。残り1F過ぎで先頭に立ち、最後は内から追い上げてきたサトノフラッグを首差退けた。デビューから10戦目。これが待望の重賞初Vとなった。

 2年前の菊花賞13着以来、5戦ぶりに手綱を取った石橋脩はゴールを過ぎると右のこぶしをグッと握り締めガッツポーズ。「操縦性の高い馬なので、リズム良く走らせることだけを考えていました。(自分が)余計なことをしなければ上手に走ってくれると思っていた」。ここ2週の追い切りにまたがり、状態が良くなっていると確信していただけに、「(勝てて)うれしかったです」とホッとした笑みを浮かべた。

 2020年10月の毎日王冠5着後は休養に入り、しっかり立て直されての実戦復帰。大竹師は「1週前の調教もしっかり動けていましたしね。体が絞れていなくて(12キロ増)、それでいて勝てるんですから」と高い能力を再確認。そして「菊花賞までは石橋(脩)が乗っていて、馬の細かい癖まで熟知している。こちらが何も言わなくても、イメージした通りの競馬をしてくれた」とジョッキーの好騎乗をたたえた。

 今後について指揮官は、「1800メートルがいいなと思うけど、適鞍がなくて。マイルか2000メートルか、どちらに振っていくのか」と悩ましげ。5歳馬とはいえ、まだキャリアは10戦。未知なる魅力満載の素質馬が、ここからさらなる高みへと駆け上がっていく。

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