【関東オークス回顧】南関東二冠馬をねじ伏せたウェルドーン/斎藤修

2021年06月17日(木) 18:00

関東オークスを制覇したウェルドーン(撮影:高橋正和)

 牡馬相手の3歳オープン特別(鳳雛S)を制したウェルドーン。南関東牝馬三冠に王手をかけているケラススヴィア。単勝2.2倍と2.5倍で人気を集めた2頭が、3コーナーから3番手以下を離しての一騎打ちは見ごたえがあった。

 逃げてペースを握ったのは予想通りケラススヴィア。スタートがあまりよくなかったウェルドーンは、押して前の位置を取りに行くと頭を上げて行きたがる場面があった。それでウワサノシブコを挟んで3番手。

 東京プリンセス賞でもそうだったように、父がサウスヴィグラスというケラススヴィアの逃げにほとんど緩みはない。勝負どころ3コーナーまでの道中で、ラップが14秒台に落ちたのは、残り1000mからの1Fだけ。2番手のウワサノシブコが2周目3コーナー手前で失速すると、3番手以下には大きく差がついた。

 前にケラススヴィア、1馬身ほどの差で追いかけるのがウェルドーン。3、4コーナー中間から、両馬とも鞍上の手が動いて、そのあたりから最後の2Fは、14秒1-14秒0とさすがに上りがかかった。ゴール前でケラススヴィアが一杯になったところ、ウェルドーンはなんとか最後まで脚をもたせて2馬身差をつけた。

 勝ったウェルドーンは「レースをやめようとするところがある」(武豊騎手)ということだから、この距離での能力差は着差以上にあったかもしれない。

 緩みのないペースで逃げて2着に粘ったケラススヴィアは、惜しくも牝馬三冠は逃したものの、負けて強しといえる内容。ウェルドーンが前走で勝った1800mの鳳雛Sは、例年であればジャパンダートダービーでも有力視されるレベルで、それが今年は牝馬だったといういことは、ケラススヴィアにとっては相手が悪かった。

 3着以下の内容を見ても、いかに2頭の力が抜けていたかがわかる。

 3着のランスオブアースは、スタートで後手を踏んだことがむしろ幸いした。後方からとなっても、無理に前を追いかけなかった泉谷楓真騎手の落ち着いた騎乗もよかった。向正面中間から徐々にペースアップしていって、直線では単独3番手。それでも最後は前と脚色が一緒になって、2着ケラススヴィアから4馬身の差があった。

 そのうしろは大差がついて、4着グロリオーソは中団よりうしろからの追走。5着のネイバーアイランドは2歳時に門別の未勝利戦を勝っただけという明らかな格下。前半から圏外といえるような離れた最後方を追走し、4コーナー最後方から直線だけ脚を使った。

 そのほか中央勢では、中団を追走したリフレイムベルヴォーグは見せ場をつくれず、それぞれ6着、9着だった。

 勝ったウェルドーンは、あらためて牡馬の世代トップクラスと対戦していくなかで真価が問われるところ。

 ケラススヴィアは、どれくらいが適距離なのかはわからないが、2歳時のローレル賞以降は牝馬同士のレースのみを使われているだけに、牡馬との対戦でどうか。もしくは古馬牝馬との対戦という選択肢も考えられる。

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