【秋華賞】エイシンヒテン“逃げの極意”渡辺調教師「ハナに行くといい感じで物見をする」/トレセン発秘話

東京スポーツ

2021年10月15日(金) 21:01

大波乱を巻き起こすかもしれないエイシンヒテン(c)netkeiba.com

 昨年のデアリングタクトしかり、3年前のアーモンドアイしかり。秋華賞といえば、大外から目の覚めるような末脚で急襲して、そのまま差し切る豪快なシーンが真っ先に思い浮かぶ。そう、改めてご紹介するまでもなく、ここ数年は明らかに「差し馬優勢」の印象だ。となれば、今年も決め脚自慢を探すのが馬券ゲットの近道? 単純な思考回路しか持たない私はすぐに早合点してしまうのだが、よくよく考えてみれば今年は例年の京都ではなく、阪神内回り2000メートルでの開催となる。「例年通りの発想」はむしろ危険なのかも…。

 阪神内回り2000メートルはコーナー4つはもちろん、スタート直後に急坂が待つことからペースが上がりにくく、「逃げ、先行馬有利」とされるコース設定。実際、今年開催された大阪杯マーメイドSの2重賞はレイパパレシャムロックヒルがそれぞれ逃げ切り勝ちを決めている。今年の秋華賞は例年とは真逆の結末が…。というわけで私は「逃げ馬」エイシンヒテンの元へと急いだ。

 スピードを全面に生かす競馬で海外G1・2勝を挙げたエイシンヒカリの初年度産駒エイシンヒテンは、父譲りのスピードこそが身上なのは成績を見れば一目瞭然。過去2勝はいずれも逃げ切り。そしてトライアルのローズSでも0秒2差2着に逃げ粘って12番人気の低評価を覆している。

「前走はうまく逃がしてもらえましたからね。クイーンC(0秒2差4着)の時もそうでしたが、極端に競り込まれず、自分のペースで行ければ、本当によく頑張ってくれる馬なんですよ」

 大垣助手がそう口にしたクイーンCを改めて見返すと、勝ち馬に前に出られてからも、差し返そうとする勢いと根性を見せていた。確かに自分の形に持ち込めれば粘り強い――。エイシンヒテンの真骨頂はこのレースぶりにあると感じた。

 一方で軽く見られがちなのは、初勝利が1200メートルなのもあって、中距離志向とは見られていないことが影響しているようにも映るが…。

「2歳時は能力差で短いところでも走れていたけど、本質的に短距離向きではないことは、ウチの厩舎のシゲルピンクルビーと体形、走法を比較しても明らかですからね」(大垣助手)

 忘れな草賞2着→藻岩山特別4着→ローズS2着と、ここ3走は2000メートルで安定。3走ともハナを切ってのものだ。

「今回も当然、行くことになると思いますよ。行かないと絡まれるからね。とにかく気分良く運ぶことができれば」と大垣助手。それに呼応するように渡辺調教師も「ハナに行くといい感じで物見をするので、自分のペースに持ち込みやすいみたい。今回もうまく後続を離して逃げられれば」と戦法に迷いはない。

 注文通りの競馬が実現すれば…。エイシンヒテンが見せ場だけには終わらせない、大波乱劇を巻き起こすかもしれない。

(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)

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