【天皇賞】横山武史 史上初親子3代制覇&2週連続G1V 歓喜ガッツ「人生初」うれし涙

デイリースポーツ

2021年11月01日(月) 12:10

 エフフォーリアで天皇賞・秋を制しガッツポーズをみせる横山武(撮影・三好信也)

 「天皇賞(秋)・G1」(31日、東京)

 新時代の到来だ。横山武史騎手(22)=美浦・鈴木伸=騎乗のエフフォーリアが、コントレイルグランアレグリアとの3強対決を見事に制した。鞍上は先週の菊花賞タイトルホルダー)に続く2週連続G1Vを挙げるとともに、史上初となる天皇賞・秋親子3代制覇を達成。令和の若き天才は、今後も日本競馬界をグイグイと引っ張っていくに違いない。

 メンバー唯一の3歳馬と22歳の天才騎手が、無敗3冠馬とG1・3階級制覇を目指す女王を撃破した。三つどもえの大一番を制したのは2021年の皐月賞エフフォーリア&横山武。「馬の力を信じて乗った」という若き主戦は右腕を高々と掲げて歓喜のガッツポーズ。ダービー鼻差2着の悔しさを胸に、人馬ともに最高の仕事を成し遂げた。

 レース運びは正攻法。持ち前の器用さでスタートを決め6番手につけた。「理想のポジションが取れた」。折り合いもピタリだ。道中もロスなく進み、前にグランアレグリア、後ろにコントレイルという形でさあ直線。坂下でゴーサインを送ると、先に抜け出したグランをかわして先頭へ。外から迫るコントレイルも寄せ付けず、古馬との初対戦を見事に完勝で飾った。

 殊勲のウイニングランで「よっしゃー」と雄たけびを上げた鞍上に、場内から温かい拍手が送られた。「人生で初めてうれし涙が出ました。ダービーが死ぬほど悔しかったので、その反動というか、自然と」。検量室では出迎えた鹿戸師に「やった、先生!」と喜びを報告した。

 まさに“武史時代”の到来だ。競馬学校在籍時から、父・典弘が「アイツはマジでヤバい。恐らく相当なもんになる」と称賛していた通りの出世ぶり。騎乗技術はもちろんのこと、持ち前のハートの強さも武器に目下、東のリーディングを快走中だ。

 先週の菊花賞タイトルホルダー)に続く2週連続G1Vを決め、祖父・富雄さん(1969年メジロタイヨウ)、父・典弘(2009年カンパニー)に続く、史上初の秋盾親子3代制覇も達成。騎手になった時、勝ちたいG1の一つだったというタイトルとあって喜びもひとしおだ。「なかなかできることではないですし、達成できて良かったです」と相好を崩した。

 エフフォーリアの注目の次戦は有馬記念(12月26日・中山)。「G1・2勝目ですが、まだまだ勝てる馬だと思うので頑張りたい」。乗りに乗る若武者が、暮れの大一番も大いに盛り上げてくれるはずだ。

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