【勝負の分かれ目 マイルCS】ルメール騎手の好騎乗で絶対女王がラストランを勝利で飾る

2021年11月21日(日) 18:30

グランアレグリアが有終の美を飾った(c)netkeiba.com

 GI馬6頭の豪華競演となった第38回マイルチャンピオンシップのゲートが開いた。

 最内枠のホウオウアマゾンが大方の予想どおりハナに立った。

 2番手はクリノガウディー、差なく3番人気のサリオスが掛かり気味につづく。

 4番人気のグレナディアガーズも好位につけ、それらから2馬身ほど後ろの馬群のなかに2番人気のシュネルマイスターがいる。

 1番人気に支持されたクリストフ・ルメールグランアレグリアは、そこからさらに2馬身ほど後ろの外目にいる。

「ちょっと後ろになりましたが、グランアレグリアはスーパーホースなので、気にしていませんでした」とルメール。

 単騎逃げの形に持ち込んだホウオウアマゾンはマイペースで進み、前半800m通過は47秒6。後半800mが45秒0だったことが示すように、これだけのメンバーが揃った良馬場のマイルGIにしてはゆったりとした流れになった。

 ホウオウアマゾンから最後尾までは10馬身あるかどうか。

 3、4コーナーを回りながら馬群はさらに密度を増し、ルメールはグランアレグリアを外に持ち出そうとしている。

 ホウオウアマゾンが先頭のまま直線へ。

 サリオスインディチャンプらが内のホウオウアマゾンに並びかける。

 その後ろにいるシュネルマイスターは追いながら少し外に進路を変え、インディチャンプとその外のダーリントンホールとの間にできた隙間からスパートする。

 若干ロスがあったシュネルマイスターに対して、グランアレグリアは前に他馬のいない外から気持ちよさそうにストライドを伸ばす。

「直線では大外に出して伸びることができた。今日は本当のグランアレグリアを見せることができました」とルメール。

 ラスト200mを切ったところでサリオスが先頭に立ち、それをインディチャンプがかわしにかかる。

 しかし、ルメールの右鞭に応えてスパートしたグランアレグリアの伸び脚がきわだっている。

 シュネルマイスターダノンザキッドも追い上げてきたが、グランアレグリアがまったく危なげない走りで、史上6頭目となるマイルチャンピオンシップ連覇を果たした。

 勝負どころで密集した馬群の外に出してコースをロスすることをまったく恐れていなかったルメールの、馬に対する信頼が伝わってきた。

 2着のシュネルマイスターは、4コーナーから直線入口にかけて、もう少し前との差を詰めることができるとよかったのだが、前も外も他馬に塞がれていた。馬群がバラけづらい展開になったことが、内枠を引いたこの馬には痛かった。

 3着のダノンザキッドは、折り合えたことが最後の伸びにつながった。

 これら2頭と、5着に逃げ粘ったホウオウアマゾンら、強い3歳世代が、絶対女王がターフを去ったあとのマイル界を引っ張って行きそうだ。

(文:島田明宏)

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