【札幌記念】偉大な父の雪辱を果たす時 成熟した黄金の大器ジャックドール

2022年08月17日(水) 16:10

金鯱賞を力強く逃げ切り快勝したジャックドール(撮影:高橋正和)

 8月21日に札幌競馬場で行われる札幌記念(3歳上・GII・芝2000m)。GI馬5頭、重賞馬12頭が揃い、激戦が予想される。このレースでは破竹の5連勝で今年の金鯱賞(GII)を制したジャックドール(牡4、栗東・藤岡健一厩舎)が藤岡佑介騎手とのコンビで勝利を狙う。

 ジャックドールは父モーリス母ラヴァリーノ、母の父Unbridled's Songという血統。父モーリスはGI・6勝、2015年1月から翌年6月までに無傷の7連勝を記録した名馬であるが、札幌記念(GII)に1度出走した際には惜しくも2着。今回、その息子であるジャックドールが勝利すれば、モーリス産駒初の札幌記念覇者となる。

 ジャックドールは2020年12月の2歳新馬戦でデビューし、翌年4月の未勝利戦を勝利。その後9月に中京競馬場で行われた1勝クラスを皮切りに、2勝クラス3勝クラスと怒涛の勢いでの勝ち上がりを見せ注目を集めた。特に注目されたポイントは、衝撃的なレーススタイル。好スタートから逃げや先行策をとりつつも、4コーナーからは更に加速し、上がり1位や2位の脚を繰り出して他馬に追いつかれる隙など全く無い豪快な走りっぷりを見せた。そして、昇級した白富士S(L)でも、2着馬に1.1/2馬身差をつける快勝をおさめ、4連勝でついに初の重賞へと駒を進めたのである。

 そして、2022年3月に中京競馬場で行われた金鯱賞(GII)に出走すると、レイパパレアカイイト、後に大阪杯(GI)を制したポタジェといったGI馬たちを相手に、これまでと同じ逃げ戦法で挑む。直線で追い出されると、異次元ともいえる他馬を圧倒する手応えで伸び続けて快勝。勝ちタイムとして記録した1分57秒2は、従来のレコードを1秒1も更新するものであった。

 前走の大阪杯(GI)では、無傷の5連勝がストップすることとなったが、右トモを落鉄するアクシデントがありながらも、ハイレベルなGIレースで5着と大健闘。また、賞金加算の為に間隔を詰めてギリギリの状態で臨んでいたと管理する藤岡師がコメントしていた前走とは異なり、今回はリフレッシュを挟んで出走する。

 タイトルホルダーエフフォーリアソダシらを擁する最強と名高い4歳世代の遅れてきた最終兵器として、北の大地でも抜群の破壊力を発揮し、父モーリスが掴めなかった栄光を届けられるのか。ジャックドールに注目である。

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