“武豊の逃げ”は何がスゴい? 大阪杯ジャックドールのラップタイムを検証してみた

2023年04月03日(月) 17:20

今年の大阪杯のラップ(c)netkeiba.com

 一部のマスコミやファンの間で、ジャックドールが“令和のサイレンススズカ”と呼ばれているそう。確かに逃げ馬、栗毛の馬体と共通項は多いようにも思えるが、冷静に分析すれば2頭の逃げ馬としてのキャラクターは異なる。前半3Fを34秒台、5Fを57秒台で飛ばした“天性のスピード馬”サイレンススズカと比べると、ジャックドールの逃げは大人しめ。

 未勝利から昨夏の札幌記念まで、ジャックドールが制した全7戦の前半3Fを見ると、最も速いのが札幌記念の35秒5。逃げたレースに限れば金鯱賞の35秒7だから、意外に遅め。一方、前半3Fが34秒台となった昨年の大阪杯天皇賞・秋はそれぞれ5着、4着に敗退。サイレンススズカのように前半から速いラップを刻みつつ、上がりをまとめられるタイプではない。

 その上で本題となる武豊騎手の手綱さばきに注目。大阪杯を振り返ってみると、大きく2つの注目ポイントが挙げられる。

 1つ目の前半の入り。他の騎手の「ジャックドールが逃げるに違いない」という先入観も利用したのか、パートナーを急かすことなく、左右の動きを確認しながら、逃げの態勢。前半3Fのラップは、昨年の34秒6(12秒3-10秒3-12秒0)に対し、今年は35秒5(12秒4-10秒9-12秒2)と0秒9も遅かった。

 大きかったのは2F目の10秒9。もちろん、昨年のアフリカンゴールドのような同型馬が不在だったことも大きい。いずれにしても序盤の省エネが、勝利を大きく引き寄せたことは間違いない。

 2つ目の注目ポイントは残り6Fからのラップの刻み方。ペースを緩め過ぎると、18年のスワーヴリチャードのような捲りを決められる危険性も。しかし名手は巧みで、3F目と4F目は12秒台だったが、一転して5F目は11秒4とペースアップ。ここから11秒7、11秒5、11秒4、11秒4と、残り1Fまで11秒台半ばのラップを5連発。この間の5Fは驚異の57秒4だから捲られるはずもない。

 体内時計はさすがの一言。3月15日で54歳。肉体的な衰えがないはずはないが、それでも第一線で活躍を続けられる所以だろう。

関連情報

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

アクセス数

もっと見る

    注目数

    もっと見る

      ニュースを探す