渡邊薫彦「トップロードのような馬を育てたい」/新規調教師の栗東共同会見

2014年12月11日(木) 19:59

調教師試験に合格した(右から)渡邊薫彦さん、橋口慎介さん、齋藤崇史さん(撮影:花岡貴子)

 11日、JRAより平成27年度新規調教師の合格者が発表された。栗東からは齋藤崇史さん、橋口慎介さん、渡邊薫彦さんの3名が合格した。合格の喜びの声は以下のとおり。

■齋藤崇史さん(32歳、松永幹夫厩舎 調教助手)
 4回目の受験で合格しました。発表の時間はいつもどおり厩舎で仕事をしており、ちょうど獣医さんの治療を受けているところでした。わたしは親族に競馬関係者はおりません。中学時代から競馬ファンで、この世界にはいるためにふさわしい大学を選び、アイルランドへ留学しました。

 この世界に入ったときから漠然と調教師になりたいと思っていましたが、その大きな転機になったのはレッドディザイアでドバイやアメリカなどへの海外遠征でした。調教師になって競馬を伝えたいと思いました。調教師としての目標は松永幹夫先生です。誰にでも好かれる素晴らしい人格者です。それから、試験に向けての勉強会だけでなく馬に対するアドバイスをくださった角居勝彦先生も目標です。ホースマンとして日本ダービーを勝ちたいです。そして、レッドディザイアでの遠征で勝てなかったドバイワールドカップやブリーダーズカップを勝ちたいです。

橋口慎介さん(39歳、池添兼男厩舎 調教助手)
 2回目の受験で合格しました。発表の時間にはすでに帰宅していました。合格をホームページで確認しようとしていたところ、前田幸治オーナーからのお電話をいただきまして、知りました。

 調教師という職業は、子供のころから父である橋口弘次郎調教師が活躍する姿を見ながら憧れていました。現在、お世話になっている池添調教師や父の橋口調教師のように、期待されその期待に応えられるような厩舎をつくりたいです。今年、ワンアンドオンリーが出走した日本ダービーは現地で観戦させていただきました。それまで2着続き(注:ダンスインザダークなどで2着4回)で悔しがる姿を見てきましたので、涙が出るほど感動しました。いつか、わたし自身も日本ダービーを勝ちたいです。

■渡邊薫彦さん(39歳、沖芳夫厩舎 調教助手)
 3回目の受験で合格しました。実は今朝、朝一番に落馬しまして、嫌な予感がしたのですが(苦笑)。厩舎の清掃をしているときに師匠の沖調教師から連絡を受け、合格を知りました。騎手現役時代から沖調教師にあこがれていました。そして、昨今の海外での日本馬の活躍に刺激を受け、より一層調教師になりたいという気持ちが強まりました。騎手を引退したときは“沖先生の片腕になれれば”という思いでしたが、逆に調教師に向けての勉強にするにあたって沖先生に気を遣わせてしまうことになり申し訳ないと思いました。

 目標の調教師は沖芳夫先生です。騎手として19年、調教助手として2年間お世話になりました。技術はもちろん、誰からも信頼される人間性に感銘を受けます。ナリタトップロードのような誰からも好かれる馬を育てたいです。そして、現役時代に手が届かなかった日本ダービーを勝ちたいです。(取材・写真:花岡貴子)

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