安井商店、京都競馬閉鎖も「いい時代来る」

2020年10月23日(金) 06:50 0 3

 京都競馬場は今開催(11月1日まで)が終われば、大改修に入る。23年3月まで開催はなく、工事は24年3月まで続く予定だ。新型コロナウイルスの影響で場内の売店を閉めている競馬場近くの安井商店5代目の安井栄蔵さん(80)が、菊花賞を前に思いを語った。

 40年にわたり淀のレースを見守ってきたスタンドの前で繰り広げられるG1は、今週の菊花賞がラストになる。グランドスワン(スタンドの愛称)で、売店を営み、競馬場での自動販売機などの飲料やお酒を販売している酒屋・安井商店の5代目店主・安井栄蔵さんは、「菊花賞は特別なレースだからね」と思いを馳せた。

 安井家は、1925年に競馬場が開設されて以来、代々に渡り京都競馬場を支えてきた。日々行われるレースを間近で支え、ファンに「飲み物」を通じて楽しみを共有してきた。「京都と言えば、やっぱり春は天皇賞で、秋は菊花賞だからね」。自身が営む酒屋では、プライベートブランドとして「菊燦然(さんぜん)」の清酒、梅酒を販売する。3000Mの距離と“燦然と輝く”という意味を込めて作られたという。「このお酒をいつもは菊花賞の時は、競馬場で販売しているんだけどね。お土産で買って帰ってくれる人もたくさんいる。(今年は新型コロナの影響で)お酒は売れないからね」。

 今は酒の販売がメインとなる売店は閉めているが、京都競馬場近くのお店では実際にお酒を手にとることができる。「無敗の3冠馬が出ると本当に盛り上がるからね。特に、ディープの時は、飲み物が全部売れて、なくなったんだよ」と笑顔を見せながら、思い出を語った。

 「今年は新型コロナウイルスで(競馬場内の)お店も閉まっているところが多くて、同業者の人は嘆いている人もいる。でもまた、いい時代はきっと来る」。新スタンド完成は24年4月。大勢の人で埋め尽くされ大歓声の中で燦然と輝く馬や騎手たちがレースをしてほしい―。そんな日が来るまで安井さんは京都競馬場を見守り続ける。

 ◆安井 栄蔵(やすい・えいぞう)1940年3月17日、京都府京都市伏見区淀生まれ。80歳。京都競馬場そばで生まれ育ち、マヤノトップガンなどを管理した坂口正大元調教師は同級生。現在は「安井商店」の5代目社長を務める。子供時代の遊び場は、競馬場で、池で泳いでいたことも。趣味はゴルフでホールインワンは2度達成したことがある。ベストスコアは80。

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