秘める可能性に期待/札幌記念

2015年08月22日(土) 18:00


スペシャルウィークの後継種牡馬にふさわしいタイプ

 菊花賞3000mの日本レコード勝ちが物語る、本当の大物なのか。まだ半信半疑にならざるをえない未知の部分は大きいが、トーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)の秘める可能性に期待したい。

「60秒9-61秒3-58秒8」=3分01秒0の快レコードは、高速の芝なので多少は割り引く必要はあるが、東日本大震災の日に生まれ、丈夫ではなく3歳5月のデビューになりながら、わずか5ヶ月後には現競走体系になってから史上最速の日程で「菊花賞」を大レコードで快勝したから、すごい。4分の3同血の姉トーホウアマポーラが1200mのCBC賞を勝って間もなくであり、近親には短距離タイプも多く、長距離型とは思われていない側面もあったから、「異端」の菊花賞馬の印象もあった。

 だが、反動もあってブランクが生じ、8ヶ月ぶりになった今年6月の宝塚記念を小差4着。全体レベルはもう一歩のG1だったとはいえ、あの内容は「さすが」である。

 スピード色が強いとされた牝系も、少しさかのぼれば「ファピアノ、クワイエットアメリカン(あと一歩のハナ差で2冠にとどまったリアルクワイエットの父)、オジジアン、オナーアンドグロリー」などが並ぶ名牝系であり、母トーホウガイアは種牡馬クワイエットアメリカンと同じように、自身がファピアノのファミリーでありながら、3代父がそのファピアノという意図的な配合である。意外性を秘めている。

 父スペシャルウィーク(20歳)は、大物牝馬ブエナビスタ、シーザリオなどを送りながら、後継種牡馬の極端に少ない種牡馬(フロリースカップ系は多分に連続する種牡馬族ではない一面もある)であり・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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