甲乙つけがたい候補が次つぎに急上昇する形になった男馬のクラシック路線/スプリングS

2014年03月24日(月) 18:00


◆近年でも珍しい、比較の難しい、非常に楽しいクラシック直前

 新星{horse=血統登録番号:馬名}ロサギガンティア(父フジキセキ)が非常に強い内容で、2歳チャンピオンのアジアエクスプレス(父ヘニーヒューズ)を倒し、有力候補の1頭に躍り出た。前日の「若葉S」2000mでは、これも明らかにランキング上位だったウインフルブルーム(父スペシャルウィーク)を、急上昇アドマイヤデウス(父アドマイヤドン)が差し切って候補の1頭に浮上するなど、2歳後半まで牝馬に押されていた3か月ほど前までとは様相一変。男馬のクラシック路線には、甲乙つけがたい候補が次つぎに急上昇する形になった。

 ほとんどの候補が例年より遅れて台頭の構図になっているから、ここまで注目馬の直接対戦はいつもの年より少ない。近年でも珍しい、比較の難しい、非常に楽しいクラシック直前である。

 皐月賞に挑戦するローテーションでは、「中3週」になるこのスプリングSがもっとも本番に向けての調整、仕上げに苦心する日程ではない。最近10年間の皐月賞の勝ち馬に限定すると、2013年のロゴタイプ、2011年のオルフェーヴルなど、スプリングSをステップにした馬が「5頭」も勝っている。同じ週の「若葉S」も2007年の勝ち馬ヴィクトリーを送り、こちらも2着馬がなんと4頭もいる。中3週での挑戦になる「スプリングS+若葉S」を合わせると、このステップが約半数の14頭を占める。

 最近10年間の皐月賞馬で3着以内に好走した「30頭」の直前のレースは、

 ▽中3週のスプリングS組……  8頭(勝ち馬5頭) 13年アンライバルドなど

 ▽中5週の弥生賞出走馬 …… 12頭(勝ち馬3頭) 10年ヴィクトワールピサなど

 ▽中3週の若葉S出走馬  …… 6頭(勝ち馬1頭) 07年ヴィクトリーなど

 ▽中7週の共同通信杯組 …… 3頭(勝ち馬1頭) 12年ゴールドシップなど

 ▽3か月の京成杯出走馬 …… 1頭(勝ち馬0頭) 10年エイシンフラッシュ

 勝ち馬に限るなら、半分の5頭を送るスプリングS組であり、ゆったりした間隔を味方にしてもっとも多くの好走馬を送っているのが弥生賞。かつて中山で行われていた注目レース「若葉S」は、関西に移った当初は路線から外れかけたが、再び重要度を増している。というのが最近10年の主なパターンである。今年、京成杯を制したプレイアンドリアルは皐月賞には間に合わないから、

 ▽「スプリングS」   ロサギガンティア アジアエクスプレス

 ▽「弥生賞」     トゥザワールド  ワンアンドオンリー

 ▽「若葉ステークス」 アドマイヤデウス ウインフルブルーム

 ▽「共同通信杯」   イスラボニータ  (2着ベルキャニオンはスプリングS6着)

 これらが、有力候補として人気上位を集めることになり、そこに、ふつうはスプリングSなどに出走するが、今年は共同通信杯組よりもう少し長い約2か月ぶり(中9週)のぶっつけとなる

 ▽「きさらぎ賞」  トーセンスターダム  バンドワゴン

 が加わることになる。

 いつものようにスタートで出負けしたロサギガンティアは・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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