自在性を評価/ファンタスティックJT

2014年11月28日(金) 18:00


スロー必至の組み合わせ

 注目は今年から重賞となったラジオNIKKEI杯「京都2歳S」であり、目下のところ来期の候補NO.1と評価されるティルナノーグ(父ディープインパクト)、同じく2戦2勝のダノンメジャー(父ダイワメジャー)、エイシンライダー(父マンハッタンカフェ)などレース内容熟視だが、さすがに馬券は買いようがない。国際騎手招待の「東京11R」で資金を増やしたい。

 東京の芝1400mは近年、めったに速い流れにはならないところへ、ここは快速タイプが不在。外国人ジョッキーが先手を主張し自分でレースを作る可能性はきわめて低い。仮に押し出されてハナに立ってもスロー必至。ホスト役の日本の騎手が行く可能性が高いが、これがまた、ほとんどの馬が差しタイプなので、緩いペースは避けられない。

 5歳の今年はずっと1400mにマトを絞って出走し、このクラスに昇級したここ2戦、連続して0秒4差の好勝負に持ち込んでいるマカハ(父キングカメハメハ)の自在性を評価する手か。ここ2戦は中団から差す形だが、もともとは先行抜け出し型であり、58キロを考えれば浜中騎手は先行策をとって不思議ない。メンバー中、3位タイになる1分20秒4の時計があるから、少し気合をつければ先行=好位追走は楽に可能だろう。

 目下5戦連続して、マカハの後半3ハロンの記録は「33秒1-33秒4」。早めに動いたからといって、末をなくす馬ではない。どのみちレースバランスは後傾の上がり勝負になるから、末の確かな同馬は先団に位置するほど展開の利は大きくなる。

 外国人騎手のなかで、もうすっかり日本のスピード競馬を理解し、ここは早め早めに進出しそうなのはムーア騎手のロノ(父キングカメハメハ)。この馬も最近は1400mにマトを絞っている感があり、互角のスタートならマカハと同様の先行策もある。  ロノと、やっぱりこれも先行策を取ると思えるハングリージャック(父フジキセキ)がマカハの相手本線。以下。ピークトラムダローネガエアジェルブロワプリンセスジャックが押え。海外騎手招待レースは、各馬の違った良さを引き出すケースがあるのが最大の見どころであり、馬券の難しさと同じように、レースそのものの難しさを共有できるイベントレース。ムキにならない範囲で参加したい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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