2015年04月18日(土) 12:00
「何が?」って、G1レースでの枠連3-4ですよ。先週の桜花賞がそうなったでしょう?今年2月21日付けの当コラムに「枠連3-4になったのは07年のスプリンターズSが最後。ゾロ目以外では最も長く出ていない“目”。そろそろ出たがっている」なんていうことを書きました。それが今回は、実に7年半、167戦ぶりの“お出まし”。善光寺さんの御開帳みたいな出来事になったわけです。
でも、まさかここで、なんですよ。勝ったレッツゴードンキは3枠6番でしたが、ご存知のように近年の桜花賞では4枠から外が圧倒的に優勢。1〜3枠絡みの枠連は、02年の3-7(1着7枠15番アローキャリー、2着3枠6番ブルーリッジリバー)以来出ていませんでした。つまり、出たがっているとは言っても、ここではちょっと買いにくい“目”だったのです。それが出ちゃうんですから、競馬は難しいというか何というか…。
これで、しばらく出ていない“目”(ゾロ目を除く)は1-6に代わりました。こちらは2010年のヴィクトリアマイル(1着=6枠11番ブエナビスタ、2着=1枠2番ヒカルアマランサス)が最後。そろそろ丸5年のご無沙汰になります。00年のエリザベス女王杯で出て以来の1-1とともに、1枠絡みの“目”ってことですね。
ちなみに、ヴィクトリアマイルが始まった06年から去年までの上半期のG1レースで出た“目”を調べてみたら、おもしろいことに気がつきました。東京と京都で行われた芝のレース(全56戦)では1枠が22回絡んでいるのに、それ以外のレース(全34戦)では4回絡んだだけ。“出現率”は.393vs.118と大差がついています。これに今年ここまでの2戦を加えれば、.393vs.111。コース形態やレースの距離などの違いがこの結果を招いているような…。1枠絡みの馬券を買うなら、天皇賞・春から安田記念までの間かもしれませんよ。
枠とは関係ありませんが、桜花賞の“余談”をもうひとつ。レッツゴードンキは札幌芝1800メートルの新馬戦でデビューしていました。デビュー戦が芝1800メートル以上だった馬が桜花賞を制したのは、ベガ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネに次いで(おそらく)5回目。過去の優勝馬は、オークス馬が3頭、秋華賞馬が1頭と、いずれも“2冠”を制しています。レッツゴードンキもこれに続けるか。みなさんはどう思いますか?
さて、今週は皐月賞。1979年のビンゴガルーが優勝したレース以来、36年ぶりの15頭立てになりました。余計な話ですが、過去に15頭立てで行われた皐月賞はそれを含めて3回ありましたが、2番人気馬が1勝、3番人気馬が2勝。1番人気馬は古い順に3、2、4着に敗れています。ここ10年でも、1番人気馬が勝ったのは3回。ダービーと菊花賞では5回ずつ勝っていますから、それに比べると劣勢ですね。さぁ、今年の1番人気馬は勝てるでしょうか?
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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